課題名 |
養液栽培における根系機能の評価(95) |
課題番号 |
89 |
研究機関名 |
野菜・茶業試験場
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研究分担 |
施設生産・栽培シス研
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研究期間 |
完9~11 |
年度 |
2000 |
摘要 |
植物生育に好適な根圏環境を作り出す養液栽培方式を開発する目的で、根圏環境と根系の機能及び形態の相互関係を検討した。最初に、根系機能を評価するためにO2アップテスターを用いた呼吸速度測定法を検討した。液相中と気相中で根の呼吸速度に有意な差は見られなかったが、液相中では液の撹拌速度が測定値に大きく影響することを見出した。次に、保水シート耕と湛液水耕でトマトを栽培し、形成される湿気中根と水中根の形態や機能を比較した。保水シート耕における湿気中根は、少数の太くて高次根を分岐する1次側根をもち、総根長は短いが新鮮重は大きかった。一方、湛液水耕における水中根は、分岐の少ない1次側根を多数発達させ、総根長は長かったが、新鮮重は小さかった。しかし、根の総表面積は両方式で等しかった。さらに、呼吸速度の測定法の検討結果に基づいて、培養液の流動速度がイオン吸収に及ぼす影響を検討したところ、流動速度が大きいほど根によるイオン吸収量が高まった。また、湿気中根と水中根の温度耐性を比較したところ、湿気中根は水中根に比べて35℃の高温あるいは15℃の低温に対して耐性があることが明らかとなった。残された問題点は、湿気中根と水中根の根系構造あるいは個々の根の微細形態の違い、及びそうした構造と生理機能の関係の解明等であり、これらは新規課題を立てて検討する。
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カテゴリ |
環境制御
トマト
肥培管理
養液栽培
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