課題名 |
茶園地における環境負荷低減型養分供給技術の開発(112) |
課題番号 |
111 |
研究機関名 |
野菜・茶業試験場
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研究分担 |
茶栽培・土壌肥料研
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研究期間 |
完4~10~(11) |
年度 |
2000 |
摘要 |
茶は窒素多肥栽培が一般的であるが、溶脱した施肥窒素による茶園周辺水系の硝酸汚染が問題になっており、窒素施肥量を大幅に削減することが求められている。また、茶園は傾斜地に位置することが多いにもかかわらず、年間10回近く施肥作業を行うため、省力化が求められている。そこで、被覆尿素を利用した、窒素施肥量削減と施肥回数の削減による省力化のための施肥技術の開発を目的として圃場試験を行った。慣行施肥(硫安72kgN/10a/年を7回で施肥)に対し、被覆尿素を併用して3月上旬に1年分の窒素肥料72kgN/10a(被覆尿素使用率82%)を1回で施肥した場合、および、さらに窒素施肥量を39kgN(被覆尿素使用率67%)に削減した場合でも、一番茶の収量を慣行施肥と同等に維持することが可能であった。また、品質の指標となる一番茶新芽の全窒素含量、遊離アミノ酸含量は、いずれも、窒素施肥量・施肥回数削減の影響を受けず、一番茶荒茶(試験3年目)の品質(官能審査による評価)も同様に影響を受けなかった。以上のことから、被覆尿素を使用して春肥1回施肥で39kgN/10a/年にまで窒素施肥量を削減しても、一番茶の収量・品質は低下しないと考えられた。今後は、公共用水における硝酸態窒素に係る環境基準の設定を踏まえ、さらなる窒素施肥量削減技術の開発を行う必要がある。
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カテゴリ |
肥料
環境負荷低減
傾斜地
省力化
施肥
茶
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