課題名 |
コウライアカシタビラメ0歳魚の分布生態からみた人工種苗の放流条件(46) |
課題番号 |
42 |
研究機関名 |
西海区水産研究所
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研究分担 |
水産業研究・沿岸資源研
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研究期間 |
完10~(11) |
年度 |
2000 |
摘要 |
10年度はコウライアカシタビラメ0歳魚の分布移動について検討し、水深10m以浅の海域が成育場であり、成長に伴い10月頃には沖合域へ移動すること、干潮時には澪に集積することを示した。11年度には、これまでに得た標本から、摂食状況や摂餌場所について検討した。体長が30から110mmに増加するにつれ、主要な餌料生物は、クマ類から二枚貝類へと変化した。澪における干潮後の浅所では、0歳魚の消化管内容物の体重に対する重量比は0.56%であったが、深所では3.46%と高かった。一方、摂餌率を干潟と澪の間で比較すると、干潟は80~100%であったのに対し、澪では60%と低く、消化管内容物重量比では、干潟では2.28~3.28%に対し、澪では1.51%と低かった。今後、干潮時の澪における摂食の実態を明らかにする必要があるものの、澪は干潟に比べると摂食がやや低調ながら、干潮時の重要な生息・索餌場所であること、干潟や澪は0歳魚にとって良好な餌料環境を提供していることが明らかとなった。これらの結果から、本種0歳魚の放流条件としては、天然魚の分布密度が安定する6月以降、 成育場である水深10m以浅の海域が良く、干潮時であれば、澪が放流適地と考えられる。さらに、半底生性や底生性の餌料生物が豊富な環境が適していると考えられる。
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カテゴリ |
亜熱帯
くり
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