| 課題名 | 本邦南西水域における大型褐藻類葉状部消失現象の実態解明に関する緊急調査(50) |
|---|---|
| 課題番号 | 44 |
| 研究機関名 |
西海区水産研究所 |
| 研究分担 |
水産業研究・沿岸資源研 水産業研究・資源培養研 |
| 研究期間 | 単11 |
| 年度 | 2000 |
| 摘要 | 10年度の秋以降、長崎県野母崎町地先水域等で大規模に発生したクロメなど大型褐藻類の葉状部消失現象について、水産大学校と長崎県総合水産試験場との共同で調査・実験等を実施した。その結果、11年度は9月9日に初めて本現象の発生が確認され、側葉の大半を失ったクロメが直径数mのパッチ状に散在したが、発生時期と表層・底層水温との間に関連性は認められなかった。藻体に残された傷跡の詳細な検討や、水槽内での採食実験、及び当該水域での野外実験などによって、この現象の直接的原因は、アイゴ、ブダイを中心とする藻食性魚類による食害であることが判明した。これら魚類の生態に基づけば、大きな群れを形成するアイゴは、大規模かつ突発的な食害をもたらし、小さな群れでなわばりを形成するブダイは、小規模ながら長期持続的な食害をもたらすものと推測された。近隣の磯焼け地帯にクロメを移植した実験でも、やはりこれら2種による食害が確認されたことなどから、藻食性魚類の食害は、規模にもよるものの、藻場の種組成や密度にまで影響を及ぼし、さらには貧海藻や磯焼け状態を持続させる要因にもなり得ることが示唆された。藻食性魚類が藻場に重大な影響を与える存在であることが明らかとなったことは意義が大きく、沿岸生態系の保全や藻場造成技術の開発のために、より広域での実態の把握と、不足している藻食性魚類の生態や資源に関する情報の蓄積が求められる。 |
| カテゴリ | 亜熱帯 くり |