亜熱帯性貝類の有用形質の探索及び評価(71)

課題名 亜熱帯性貝類の有用形質の探索及び評価(71)
課題番号 66
研究機関名 西海区水産研究所
研究分担 石垣・沿岸資源研
研究期間 完9~11
年度 2000
摘要 亜熱帯域に生息する貝類は種数が多く、その中には産業上重要種が多数含まれる。しかし、それら重要種における有用形質の探索及び育種の評価はあまり行われていないのが現状である。本課題は、亜熱帯域に生息するヒメジャコの産業上有用な形質を集団遺伝学的手法によって探索し、それらの有用形質の遺伝学的手法による評価法の開発を目的とする。11年度は天然貝と人工種苗においてアイソザイム分析を行った結果、天然集団間に比べて人工種苗集団間での遺伝的変動が極めて大きく、これは人工種苗集団において繁殖に関与する親貝の個体数が天然集団に比べて極めて少ないことによる遺伝的浮動のためであると考えられた。また、沖縄本島、宮古島、多良間島及び石垣島の天然集団を比較した結果、各島集団間に遺伝的差異は認められなかったが、北ほど殻長比が増加し、殻幅比が減少する形態の地理的勾配が観察された。さらに身入りとアイソザイムのへテロ接合体数との間に高い相関が見られたことから、身入りの悪い個体は有害劣性遺伝子のホモ接合によって顕在化したと考えられ、有害劣性遺伝子の存在が推定できた。今後、ヒメジャコの育種を行うためには、ホモ接合による有害劣性遺伝子の発現を抑制することによって、身入りの悪い個体の出現頻度を少なくする育種戦略が有効と考えられる。本課題は当初の目標を達成したため、11年度をもって終了する。
カテゴリ 亜熱帯 育種 繁殖性改善 評価法

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