課題名 | トリプシンインヒビター遺伝子導入による耐虫性系統の作出(301) |
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課題番号 | 271 |
研究機関名 |
農業生物資源研究所 |
研究分担 |
生物工学・遺伝設計研 (農研セ) |
研究期間 | 完11~12 |
年度 | 2000 |
摘要 | 本研究はシカクマメ由来のトリプシンインヒビター遺伝子(mwti1b)およびトリプシン/キモトリプシンインヒビター遺伝子(rwti3)をイネの実用品種に導入し、耐虫性を付与することを目的とした。これまでに得られた結果:1)トリプシンおよびキモトリプシンの阻害活性を同程度に持つトリプシン/キモトリプシンインヒビター遺伝子をイネのコドン使用頻度を参考に人工合成し、さらに、それを緑葉だけで発現するプロモーターに連結したバイナリーベクターを構築した。2)アグロバクテリウム法により上記ベクターをイネ実用品種、日本晴、どんとこい、おきにいりに導入し、緑葉においてタンパクレベルで高発現する系統を選抜した。3)日本晴に導入した系統を用いてイチモンジセセリおよびアワヨトウの幼虫に対して耐虫性検定を行ったところ、rwti3遺伝子発現による耐虫性の増加は確認されなかった。また、ニカメイガ幼虫に耐虫性を示したmwti1b遺伝子導入日本晴もイチモンジセセリおよびアワヨトウ幼虫に対しては耐虫性を示さなかった。本遺伝子の耐虫性付与効果を評価するためには、固定系統を用いて生育を厳密にそろえて検定する必要がある。mwti1b遺伝子導入イネはニカメイガ幼虫以外の昆虫種には効果が認められなかったが、将来は他の遺伝子と組み合わせて相乗的な効果をねらうなど、イネの分子育種素材として活用されることを期待する。 |
カテゴリ | あわ 育種 ニカメイガ 品種 |