課題名 | バイオ胎盤の組織工学的構築に関する基盤的研究 2.受胎機構と母子間免疫の解明(100) |
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課題番号 | 82 |
研究機関名 |
中国農業試験場 |
研究分担 |
畜産・育種繁殖研 繁殖部(畜試) 薬学部(東京薬科大学) 医学部(広島大学) |
研究期間 | 完10~12 |
年度 | 2000 |
摘要 | 本研究は、胎盤組織を中心としたウシ母子間免疫機構を明らかにすることを目的とした。ウシ胎子胎膜および妊娠子宮内膜組織のcDNAライブラリーを作製し、その遺伝子発現プロファイルを明した。すなわち、妊娠30日齢および妊娠135日齢の子宮内膜では、リボソームやミトコンドリア関連遺伝子等構成的遺伝子、胎盤性ラクトージェン遺伝子、妊娠関連糖タンパク質等が発現していた。妊娠30日齢の胎子尿絨毛膜組織では複数の妊娠関連糖タンパク質の発現が特徴的であった。妊娠135日齢の胎子胎膜では、インプリンティング関連遺伝子(H19遺伝子とインスリン様成長因子■遺伝子)の発現が認められた。ウシ子宮内膜組織において免疫系を調節するインターロイキン(IL)-2、-4、-10の遺伝子発現の推移を検討し、 妊娠子宮内膜では妊娠日齢によりこれらサイトカイン遺伝子の発現に大きな差異が認められること、妊娠子宮内膜ではIL-4、IL-10遺伝子の発現が高く液性免疫優位であることを明らかにした。さらに、主要組織適合遺伝子複合体(MHC)クラスI分子の発現を、単クロ-ン抗体を用いた免疫組織学的に検討し、妊娠140日齢胎子胎膜中の大多数の細胞では、タンパク質レベルでMHCクラスI分子が発現していることを明らかにした。本結果は、ウシMHCクラスI分子のα3ドメインを特異的に認識するモノクローナル抗体でも確認できた。 |
カテゴリ | 育種 遺伝資源 高付加価値 肉牛 |