課題名 | 種子環境の解析に基づいた苗立ちの安定化機構の解明(150) |
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課題番号 | 119 |
研究機関名 |
中国農業試験場 |
研究分担 |
地域基盤・土壌管理研 |
研究期間 | 完10~12 |
年度 | 2000 |
摘要 | 湛水直播における苗立ちを安定化させるため、イネ種子と土壌との相互関係を特に2価鉄に着目して解明した。真空採血管を用いた土壌溶液採取装置と2価鉄の比色定量法を組み合わせることにより、土壌溶液中の2価鉄濃度を迅速に測定できる手法を開発した。本法では、真空試験管に発色剤を予め入れておき、吸引採取した土壌溶液を大気に曝さずに発色させる。この手法を利用して、1.稲わらやデンプンを様々な量添加し異なる期間湛水した土壌や稲わら連用、稲わら堆肥連用、有機物無施用中国農業試験場水田および北陸農業試験場水田土壌を湛水し催芽種子を15mmの深さに播種したとき、土壌溶液中のFe++濃度の増加に伴いイネ地上部体内Fe濃度が増加し、地上部乾物重と苗立ち率が低下した。湛水土壌中における2価鉄濃度の上昇は、直播されたイネ体内の鉄濃度を上げて生育を抑制し、苗立ち率を低下させることを示している。播種深度を浅くすることや落水により鉄毒性を軽減できることが解明された。本成果は直播栽培の普及にあたって土壌管理指針となる。 |
カテゴリ | 管理技術 高付加価値 直播栽培 水田 中山間地域 播種 |