課題名 | 山地斜面流域における土砂礫堆積機構の解明(750) |
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課題番号 | 608 |
研究機関名 |
森林総合研究所 |
研究分担 |
九州・防災研 森林環境・水資源研 |
研究期間 | 完8~12 |
年度 | 2000 |
摘要 | 山地で発生する土砂災害の中でも、周辺住民の生活に大きな被害を与える土石流の土砂礫堆積機構を解明するため、1995年の噴火活動停止後の雲仙普賢岳において現地調査を行うとともに、1990年に熊本県阿蘇郡一の宮町で発生した土石流について数値実験を行った。噴火活動停止後の雲仙普賢岳では、土石流災害発生の素因となる土砂の堆積実態の調査および災害発生の誘因となる斜面に発生する表面流の観測を行った。その結果、雲仙普賢岳周辺地域の降下火山灰が堆積した林地表層では、リターの混入による浸透能の回復傾向が認められた。一方、雲仙普賢岳の火砕流が流下した斜面の表層では、孔隙に富む微細な堆積構造が顕微鏡で観察され、林地表層と同様に浸透能が回復する傾向となっていた。しかしながら、火砕流堆積斜面の表面流観測によると、豪雨時に表面流が発生し、表面流出量は、緑化地に比べ、未緑化の裸地で多いことが判明した。また、阿蘇における土石流の数値実験では、数値実験による氾濫・堆積過程と災害時の調査結果を比較し、数値実験の再現性を検討した。その結果、本研究で適用した土石流氾濫堆積シミュレーションモデルは、実際の土石流氾濫堆積過程を再現可能であることが明らかになった。以上の成果は、砂防学会、林学会への発表や九州森林管理局の「雲仙岳・眉山地域治山事業総合調査報告書」を通じて、雲仙普賢岳の治山計画に反映された。 |
カテゴリ | 亜熱帯 管理技術 経営管理 |