課題名 | 常緑果樹のウイルス無毒化並びに隔離栽培法の確立(83) |
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課題番号 | 79 |
研究機関名 |
果樹試験場 |
研究分担 |
育種・遺伝資源研 |
研究期間 | 完2~4~12 |
年度 | 2000 |
摘要 | カンキツ等の常緑果樹の遺伝資源の導入は、品種改良を進めていく上で極めて重要であるが、導入に伴い我が国に未発生の病害虫が侵入する危険がある。このため、導入穂木は隔離栽培を義務づけられている。隔離栽培でウイルスの保毒が確認された個体は、ウイルス無毒化の必要がある。ウイルス保毒と判定された品種・系統は農林水産大臣に隔離栽培の特別許可(輸入禁止品の輸入許可)を得て、ウイルスを無毒化しなければならない。そこで、常緑果樹類に適したウイルス無毒化の処理条件を検討した。熱処理の条件は38度(16時間)~33度(8時間)、湿度条件は80~90%とし、処理期間は約45日間とした。熱処理期間中に伸長した新梢枝の先端から、約0.5mmの茎頂組織を実体顕微鏡下で採取し、消毒後、カラタチの黄化実生苗に茎頂接ぎ木した。研究期間中、導入したカンキツの内、無毒化処理した個体総数は212 点であった。カンキツは、接ぎ木後の生育が緩慢であるため、果樹試験場の隔離施設において2年程度接ぎ木を生育させた後、無毒化処理個体を横浜植物防疫所大和圃場に搬入してウイルスの再検査を依頼した。接ぎ木に供試する茎頂組織が微小なほど無毒化個体は得やすいが、茎頂接ぎ木の成功率は低下する。今後、熟練を要することなく、簡便でより効率の高い常緑果樹類の無毒化個体獲得法を検討する必要がある。 |
カテゴリ | 遺伝資源 害虫 台木 接ぎ木 品種 品種改良 その他のかんきつ |