課題名 | 結実負荷における樹体の栄養・物質動態の解明(121) |
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課題番号 | 110 |
研究機関名 |
果樹試験場 |
研究分担 |
カンキツ・形質発現研 カンキツ・(上席1) |
研究期間 | 完9~12 |
年度 | 2000 |
摘要 | 大規模カンキツ園の省力的な管理法として園地別交互結実法が期待されている。この結実管理法では,過大な着果負担をもつ樹と全くもたない樹が一つの園内に共存することになり,栽培管理法も大きく異なる.そこで,この結実管理法に適した栽培管理法開発の基礎的知見を得るため,結実負荷による樹体栄養や植物ホルモンレベルの変化を明らかにした.隔年結果性の異なる2品種(青島温州,シルバーヒル温州)を供試して生態を比較した結果,結実負荷は発根を抑制し,翌年は発育枝の発生が主体で着花を減少させること,この傾向は隔年結果性の強い青島温州で顕著なことを明らかにした.さらに,摘果樹に比較して結実樹の葉は,常にジベレリンが少なく,秋にみられる可溶性糖類の蓄積も少なかった.根においては,秋にIAA濃度が低く,ジベレリンはほとんど認められず,秋から冬にかけてみられるデンプン蓄積も少なかった.この傾向は,生態調査の場合と同様に青島温州に顕著であった.葉・根の炭水化物蓄積の少ないことや樹勢樹が良好な樹に多いIAAやジベレリンなどの植物ホルモンが少なかったことは,この結実管理法で隔年結果性の強い品種を栽培する場合には,結実負荷が他の品種以上に樹勢低下をもたらすと考えられ,生産年の樹勢低下を最小限にとどめるとともに,遊休年には積極的に樹勢回復を図るための総合的な栽培管理が必要と考えられた. |
カテゴリ | 栽培技術 収量向上 樹勢回復 品種 その他のかんきつ |