課題名 |
ナシ園における炭酸ガス、水及び熱収支の動態解明(177) |
課題番号 |
158 |
研究機関名 |
果樹試験場
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研究分担 |
栽培・気象生態研
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研究期間 |
完8~11~(12) |
年度 |
2000 |
摘要 |
(1)ナシ園の蒸発散量を様々な手法で連年測定した。熱収支法で4年分、土壌水分減少法で2年分、渦相関法で1年分のデータが得られ、ナシ園における蒸発散の実態を日レベルでほぼ解明できた。データ解析の結果、日蒸発散量は、季節によらずペンマン蒸発散位と高い比例関係にあることを見出した。すなわち、純放射量、気温、湿度ならびに風速からペンマン蒸発散位を計算し、これに比例係数(0.68~0.81)を乗ずることで、ナシ園の蒸発散量をかなり正確に予測することが可能となった。比例回帰係数にはナシ園の繁茂状態や土壌水分状態に起因すると思われる季節変動が認められたので、 月別に比例回帰係数を決定した。(2) ナシ園の日蒸散量を幹熱収支法で測定し、蒸発散量と比較した結果、蒸発散に占める蒸散の比率は4月には15%程度であるが、経時的に増大し、7~9月は75%程度で推移することを明らかにした。また、十分な降水の直後2日間は蒸散が抑制される興味深い現象を見出した。(3)ナシ園の個体群光合成速度を熱収支法と渦相関法で測定し、渦相関法で1年間にわたって20分毎の良質なデータが得られた。個体群光合成速度は日射強度の変化に極めて敏感に追随するものの、晴天日の個体群光合成速度は、日射強度が最大となる正午より早く午前8時~10時にピークを迎え、その後はゆるやかに減少すること、この傾向は夏季より春季に顕著なことを見出した。
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カテゴリ |
季節変動
生育予測
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