課題名 |
閉鎖性水域における持続的生産技術の開発研究(98) |
課題番号 |
82 |
研究機関名 |
国際農林水産業研究センター
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研究分担 |
水産・(主研)
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研究期間 |
完10~12 |
年度 |
2000 |
摘要 |
タイでウシエビの集約的養殖池における調査及びエビとミドリイガイとの混合養殖実験を行い水質変化や物質収支、流動環境制御の面から検討した。換水を行わない集約的養殖池では投与した餌料からエビへの転換率は炭素で16~19%、窒素で25~30%であり、底泥にそれぞれ約40%及び30%残留、残りは環境中に放出されると推定された。養殖池内の流速は動水車が設置されている端部底面で15cm/s、中央部で0~1cm/sであり、端部では底泥の浸食が観測された。素堀池での混合養殖実験ではミドリイガイを収容すると植物プランクトンが繁殖しクロロフィルaが単一養殖の2倍以上に達し日中の溶存酸素は過飽和、夜間は貧酸素となった。エビの成長及び増肉係数は混合養殖の方が単一養殖より若干劣り、混養池では動水車による流れがミドリイガイを付着させた竿により妨げられ有機汚泥が広範囲に堆積しエビの生息域が狭まった事が一因と推察された。一方、餌料中窒素の転換率は単一養殖ではエビに22%と底泥に49%、混合養殖ではエビ20.9%とミドリイガイ2.8%、底泥に41.3%となり、底泥に蓄積される窒素の軽減が認められた。以上の結果からウシエビとミドリイガイの混合養殖は汚濁物質の軽減にある程度の効果があるが、貝の収容量を多くする必要があり、その際植物プランクトンの繁殖と動水車による流れの制御に十分注意する必要がある。
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カテゴリ |
環境制御
繁殖性改善
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