課題名 |
東南アジアの大豆発酵食品に含まれる生理機能成分(104) |
課題番号 |
85 |
研究機関名 |
国際農林水産業研究センター
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研究分担 |
生産利用
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研究期間 |
完8~12 |
年度 |
2000 |
摘要 |
東南アジア及び日本の大豆発酵食品についてマウス胎児由来脂肪前駆細胞3T3-L1の脂肪細胞への分化を抑制する活性を測定した。タイのタウジャオ、腐乳、トアナウ、日本の味噌、醤油などに脂肪細胞分化抑制効果が見られた。それらに含まれる共通の分化抑制因子を純化し,UV吸収,EI-MS,NMRなどにより 1-methyl-1,2,3,4-tetrahydro-β-carboline-3-carboxylic acid (MTCA)の2種の立体異性体と同定した。(1S, 3S)体に比べ,(1R, 3S)体の方が若干強い活性を示した。各発酵食品に含まれるMTCAの量と脂肪分化抑制活性には正の相関が見られた。次にMTCAの作用のメカニズムについて検討した。MTCAを培地に添加する時期を変えて効果の差を見たところ,脂肪分化の開始を誘導するデキサメタゾン(DEX)及びメチルイソブチルキサンチン(MIX)処理時にMTCAを共存させた場合のみ分化の抑制が見られ,DEX-MIX非感受性の変異株3T3-F442の脂肪分化に対しては,MTCAは全く効果を示さなかったことから、MTCAは3T3-L1前駆脂肪細胞においてDEX-MIXにより活性化される細胞内のシグナル伝達経路の一部を阻害することにより、脂肪細胞分化を抑制することが示唆された。
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カテゴリ |
加工
大豆
品質保持
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