課題名 |
熱帯湿潤畑における物質循環機能を活用した土壌管理技術の確立(192) |
課題番号 |
168 |
研究機関名 |
国際農林水産業研究センター
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研究分担 |
環境資源・(主研)
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研究期間 |
完9~12 |
年度 |
2000 |
摘要 |
ブラジルの湿潤地域の草地では土壌の肥沃度が低いにもかかわらず肥料等の資材投入量が少ないために資源収奪型な土地利用の状態になっており、今後の生産力の維持に問題がなげかけられている。ダイズによる物質循環機能(空中窒素の固定)を活用した農牧輪換システムの導入により土壌の肥沃度を維持させる技術を確立する必要性に迫られている。本研究では、農牧輪換システムにおける窒素肥沃度の変動を明らかにした。試験区は、ブラジル農牧研究公社肉牛研究センター(マットグロッソドスル州カンポグランデ市、貧養分赤黄色ラトソル)で1993年に農牧輪換システムの試験が開始され、1サイクル8年で2サイクル行われる。全て無窒素区。土壌の窒素無機化ポテンシャルは、連続草地で多く連続ダイズ畑で少なく輪換ダイズ畑と輪換草地は中間であった。ダイズによる窒素固定量は、ダイズの地上部窒素の23~51%であった。土壌断面の硝酸態窒素量、浸透水の推定量、硝酸の土壌吸着反応から推測した溶脱窒素量は、耕起冬休閑区で多く、耕起冬作区、不耕起冬作区と減少した。連続ダイズ畑の窒素収支は大きなマイナスとなった。この原因として、収穫による収奪と溶脱が挙げられた。連続草地の窒素収支もマイナスとなった。この原因として家畜排泄物からのアンモニア揮散と脱窒であった。この傾向が今後も続くのかを見るために圃場試験を継続する必要がある。
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カテゴリ |
肥料
大豆
土壌管理技術
肉牛
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