課題名 | 亜熱帯におけるハクサイ心腐れ症の発生機構の解明(193) |
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課題番号 | 169 |
研究機関名 |
国際農林水産業研究センター |
研究分担 |
沖縄・地力維持研 (環境研) |
研究期間 | 完8~12 |
年度 | 2000 |
摘要 | 熱帯・亜熱帯のハクサイ栽培では、心腐れ等の生理障害が大きな問題となっている。そこで、心腐れ症に関与する細菌の性質を明らかにし、生理障害を軽減する栽培技術を確立することを目的として研究を行った。心腐れ症部位から分離した細菌は短桿、グラム陰性、ペクチン溶解性であり、16s rRNA遺伝子(500bp)の塩基配列からErwinia carotovora subsp. carotovoraの可能性が高いと判断された。沖縄支所内の黄色土圃場で、心腐れ症に対する慣行施肥とかん水施肥の比較を行った。CDU入り化成肥料を用いた慣行施肥区(25kgN/10a)と窒素施用量を低減し定植後1週目から8回に分けて毎週1回養液を注入したかん水施肥区(5kg/10a)を設けた。地中点滴チューブを20cm深に埋設した畝上にハクサイ5品種を完備型ブロック計画に従って栽培した。慣行施肥区とかん水施肥区とで結球重量は同等であったが、かん水施肥区で心腐れ症を大幅に軽減することができた。心腐れ症感受性品種と耐性品種で、また慣行施肥とかん水施肥で、外葉と結球部内葉のカルシウム含量はほぼ同じであったが、全窒素含量は感受性品種と慣行施肥区で増加した。生理障害と病害との詳細な関係解明が残された問題点である。窒素過多を抑制した心腐れ症軽減のための栽培法として農家に普及できる技術として確立するため、成果は公立試験場所等へ受け渡す。 |
カテゴリ | 肥料 亜熱帯 栽培技術 生理障害 施肥 土壌管理技術 はくさい 品種 |