課題名 | 東北タイの農業生態系における養分循環に関する調査研究(204) |
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課題番号 | 178 |
研究機関名 |
国際農林水産業研究センター |
研究分担 |
環境資源・(主研) 環境資源 生産利用・(主研) |
研究期間 | 完8~12 |
年度 | 2000 |
摘要 | 東北タイは作物生産性が低く、土壌肥沃度の向上が必要とされている。そこで、本研究は、農業生態系における養分循環を明らかにし、土壌肥沃度向上のための養分資源の利用方針を示すことを目的とした。1)キャッサバ畑では残渣の持ち出しにより窒素収支が負であり、サトウキビ畑では残渣の還元および窒素固定により窒素収支が正であった。2)樹木列幅5m、年5回の伐採を行っているアレイクロッピング圃場では、年間7t/haもの伐採枝が還元されていたが、土壌肥沃度の変化は対象区と違いがなかった。3)土壌に鋤込んだ作物茎葉、緑肥は数週間~1ヶ月で分解したが、牛糞は5ヶ月経過しても炭素、窒素とも高く維持され、土壌肥沃度向上には牛糞施用が有効であることが明らかになった。4)コンケン県における窒素循環を求めたところ、作物残渣の生産量は52kg/haと多かったが、半分以上が圃場外へ持ち出しおよび焼却されていた。家畜糞尿は大半が農地に施用されていたが、生産量が34kg/haとあまり多くなかった。農地における窒素収支は-40kg/haと見積もられた。窒素収支を適正にするには、作物残渣の還元率の向上と家畜糞尿生産量を高めるための畜産の振興が必要である。本手法で得られる結果は有機物資源の有効利用のための行政的対応の策定に活用できる。今後は土壌肥沃度向上に有効な有機物施用体系および有機物資源の利用実態のより詳細な解明が必要である。 |
カテゴリ | 肥料 病害虫 さとうきび 農薬 |