課題名 |
傾斜放牧草地による運動蓄積が筋肉の組織成長と脂質代謝に及ぼす影響(201) |
課題番号 |
163 |
研究機関名 |
草地試験場
|
研究分担 |
山地・家畜飼養研
|
研究期間 |
完10~12 |
年度 |
2000 |
摘要 |
放牧と舎飼の運動量は,1日当たりの歩行距離で放牧区は舎飼区の約3倍だった.放牧終了時では放牧区の胸最長筋,大腿直筋,半膜様筋で■型筋線維割合が大きい傾向があり,筋線維径も特に下肢の筋の■型筋線維が太くなるなど,放牧による運動負荷の影響が現れた.放牧後の肥育終了時においても,胸・腰最長筋の筋線維型構成の傾向は育成終了時と変化が無く,放牧の影響が持続していると考えられる.■型筋線維を多く含む筋肉は肥育によって脂肪を蓄積し得る能力が高いことが知られており,放牧育成牛の肥育素牛としての評価に繋がる可能性がある.放牧終了時では胸・腰最長筋の筋線維径は放牧区の方が大きい傾向があったが,肥育終了時では舎飼区も同水準となった.下肢の筋肉では放牧区の■型筋線維の径が小さくなっており,これは放牧から舎飼の個別飼養となり運動量が減少した影響と考えられる.血中代謝物質は,放牧終了時では舎飼区のTPおよびコレステロール値が低かった.これは,放牧区は生草を摂取している一方,舎飼区は乾草単飼であり,摂取飼料の成分の影響と考えられた.また,体重は舎飼区が放牧区に比べ低かったが,肥育終了時になると飼養環境が統一されたため,血中代謝物質は平準化された.筋中コラーゲンは肥育終了時の筋肉において,放牧区と舎飼区との比較では差が無かったが,全コラーゲン中の可溶性コラーゲン比は,放牧区の方が低い傾向であった.
|
カテゴリ |
傾斜地
肉牛
繁殖性改善
|