植物生態系における揮発性生理活性物質の機能に関する基礎研究(78)

課題名 植物生態系における揮発性生理活性物質の機能に関する基礎研究(78)
課題番号 68
研究機関名 農業環境技術研究所
研究分担 環境生物・他感物質研
研究期間 単12
年度 2000
摘要 被覆植物の被覆下、あるいはガラス室などの人工制御環境下では、揮発性の生理活性物質が他の植物・昆虫・微生物に及ぼす影響が大きい。このような揮発性物質による生物間の情報伝達や生育制御について影響を調べた。ディッシュパック法を用いて、40種類の植物の葉から放出される揮発性物質が植物の生育に及ぼす影響を調べた結果、ヒナゲシ、クズ、ヘアリーベッチ、クロタラリア、ムクナ、ソバなどの活性が強く、その阻害成分の主成分は青葉アルコール、青葉アルデヒドとその関連の脂肪族カルボニル化合物であった。これに対し、ヨモギ、カモミール、アークトセカなどのキク科の植物はピネンやリモネンなどのテルペン系化合物を主成分としており、その活性は青葉アルデヒドを主成分とするグループに比べて弱かった。ディッシュパック容器を用いて、単離・同定された揮発性物質の揮発した状態で他の植物に及ぼす影響を評価した結果、ジャスモン酸メチルの活性が最強であったが、その自然界での発生量は少ない。これについで、青葉アルデヒドとして知られるtrans-2-Hexenalの活性が強かった。この物質は、自然界で葉が傷つけられたとき脂肪酸酸素添加酵素Lipoxygenase の働きによって大量に生成することから、揮発性物質による植物間情報伝達に、最も重要であると判断した。
カテゴリ カモミール きく そば よもぎ

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