課題名 | 農地の土壌侵食量把握及び侵食に伴う土壌生産力変化の将来予測(215) |
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課題番号 | 182 |
研究機関名 |
農業環境技術研究所 |
研究分担 |
環境管理・環境立地研 環境資源・土壌保全研 環境資源・土壌分類研 |
研究期間 | 完8~12 |
年度 | 2000 |
摘要 | フィリピンのココナッツ畑が分布するロメロ川流域とタイ西部のキャッサバ畑が広がるサイヨーク地区を対象に輸出農作物栽培が土壌流亡に与える影響を評価するとともに、侵食に伴う土壌生産力変動と生産力を維持するために必要な肥料や土壌改良資材の施用量の将来予測を試みた。137Cs賦存量から推定された土壌侵食量及び植生係数はロメロ川流域のココナッツ畑で0.3~1.9cm、0.005、タイのキャッサバ畑で9.4cm、0.46であった。USLE式を用いて推定されたロメロ川流域の侵食量は平均21.7t/ha/年、サイヨーク地区の侵食量は平均34.9t/ha/年であった。これらの値は通常の土壌生成速度0.5~10t/ha/年やアメリカの農耕地の平均侵食量9.6t/ha/年と比較すると大きい。侵食により当年の作土の表層がなくなり、次の年はその厚さだけ下層土が作土に加わると仮定して、土壌変化特性式を考案し、ロメロ川で輸出農産物(C=0.4)を栽培した時の侵食量を推定したところ33.6万t/年に達し、現状の約2倍になることが予測された。この際、輸出農作物を栽培した畑では今後30年間に、表層土の全炭素含量が約45%、交換性カルシウムが約60%減少することが予測され、土壌生産力を維持するためには今後30年間に全炭素換算で約21t/haの有機物、約120kg/haのCa等の資材を投入する必要があることが示された。 |
カテゴリ | 肥料 管理技術 土壌改良 評価法 輸出 |