牛肉の熟成中における脂質・蛋白質の酸化と脂肪交雑との関係(140)

課題名 牛肉の熟成中における脂質・蛋白質の酸化と脂肪交雑との関係(140)
課題番号 124
研究機関名 畜産試験場
研究分担 加工・品質評価研
研究期間 完9~12
年度 2000
摘要 牛肉保存中の品質劣化要因の一つに、脂質過酸化が挙げられる。脂質過酸化の反応産物はオフフレーバーをもたらすとともに、安全面からも問題がある。一方、日本の代表的な肉用牛である黒毛和種は高い脂肪交雑(脂肪含量)に特徴があるとともに、熟成を目的とした長期保存に供されることもある。このため、とくに黒毛和牛肉にとって、保存中の脂質過酸化は重要な問題になりうる。本課題では、様々な脂肪含量の和牛肉を用い、脂肪含量と保存中の脂質過酸化の関係を調査するとともに、そのメカニズムを解析した。サンプルとしては黒毛和種去勢牛の腰最長筋を用い、4℃の暗所で10日間冷蔵し、保存1,4,7および10日目の脂質過酸化物量をチオバルビツール酸反応物(TBARS)量を指標として測定した。その結果、全ての測定日において脂肪含量とTBARS量の間には有意な負の相関が見られた。脂肪含量の高い牛肉は脂質の安定性が高いと考えられた。このメカニズムについてさらに詳細な検討を加えたところ、脂質ハイドロパーオキサイドおよびリン脂質の関与が強く推定されたが、十分な解明には至らず、さらに詳細な検討が必要である。なお、これらの成果は学会で口頭発表するとともに、現在論文として海外誌に投稿中である。
カテゴリ 肉牛

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