蚕における栄養及び代謝特性の解明(172)

課題名 蚕における栄養及び代謝特性の解明(172)
課題番号 130
研究機関名 蚕糸・昆虫農業技術研究所
研究分担 生産技術・人工飼料研
研究期間 完8~12
年度 2000
摘要 低コスト人工飼料の開発と広食性蚕が開発され、人工飼料による全齢飼育に対する期待が高まって来ている。しかしながら一般、全齢人工飼料育では桑葉育に比べて、繭層生産性が低いなどの問題点が指摘されており、その解決策が求められている。そこで、本研究では蚕における栄養および代謝特性を明らかにすることにより、蚕の人工飼料の改善を図ることを目的とし、カイコ(一部エリサンを用いた)を各種の人工飼料で飼育することにより、人工飼料に添加した物質がカイコに与える影響を調査した。その結果、次のような成果が得られた。(1)フィトステロールが変性して生じた物質によって3眠蚕が誘導されること、その誘導に品種間差異があることを見い出した。(2)高度不飽和脂肪酸であるリノレン酸を人工飼料に添加することにより、エリサンでは翅の伸長に劇的な改善が見られるが、カイコではむしろ摂食が悪くなり虫体が小さくなった。(3)人工飼料に桑葉粉末を添加することで繭層歩合が向上することを確認し、この効果は桑葉粉末を水、メタノールおよびヘキサンで抽出した残沙にも認められた。(4)食物繊維であるセルロース、ペクチン、マンナン、イヌリン、アルギン酸Naには繭層歩合を向上させる効果は見られなかった。(5)桑葉粉末をカイコ消化液で処理した残沙(カイコにとって本来の食物繊維と考えられる)には繭層歩合を向上させる効果はわずかしか見られなかった。
カテゴリ カイコ 低コスト 品種

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