生体内残留油成分による中・長期的影響(中央水研:(63)

課題名 生体内残留油成分による中・長期的影響(中央水研:(63)
課題番号 49
研究機関名 瀬戸内海区水産研究所
研究分担 環境保全・水質研
研究期間 完10~12
年度 2000
摘要 ナホトカ号流出油事故直後(平成9年)から3年間、三国町地先で採取したサザエ中腸腺の多環芳香族化合物(PAHs)濃度の変化を調べた結果、ナホトカ号重油流出事故後約2ヶ月で濃度は平常値までに低下した。その後もわずかに検出されるものの、いずれも低レベルの濃度であり、ほぼ流出事故から回復したものと考えられた。また、サザエ、マダイおよびヒラメに実験的にPAHsを投与したところ、魚類ではほとんど蓄積が認められなかったが、胆汁中には代謝物が存在した。従って、魚類では胆汁中PAHs代謝物の測定も必要であることが明らかになった。一方、サザエではピレン、クリセン、ベンゾ(a)ピレンなどの高分子のPAHs蓄積が認められた。以上のことから、サザエは沿岸生態系に対する流出油の影響を評価する上で適していることが分かった。また、沖合域生物であるスルメイカあるいはキュウリエソのPAHs濃度の変化には一定の傾向が認められず、流出油の影響が残っているかどうか判断できなかった。両者ではスルメイカでPAHs濃度は高く、沖合い域の汚染監視生物としてはスルメイカが適していると考えられた。流出油の影響を評価するためには事故が起こってからの調査では不十分で、事前にバックグランド値の蓄積が必要である。また、毒性に関しては単一油成分のみならず、それらの複合的な影響や油処理剤が加わったときの影響も評価する必要があると考えられた。
カテゴリ きゅうり くり

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