用水系統の流量増加に伴う水質改善効果の評価(94)

課題名 用水系統の流量増加に伴う水質改善効果の評価(94)
課題番号 75
研究機関名 四国農業試験場
研究分担 地域基盤・基盤整備研
研究期間 完11~12
年度 2000
摘要 農業用水における水質汚染の実態を明らかにするため、香川県内の7つのため池と幹線水路を対象として、主要地点において採水したサンプルの水質分析を行った。その結果、調査対象とした7つのため池のうち特に人工餌を投入して魚の養殖を行っている2つのため池では、全観測期間を通して顕著な富栄養化現象がみられた。全体的にみても農業用水水質基準(水稲)値を上回る割合は高く、pH(水素イオン指数)では全観測サンプルの90%にも及び、COD(化学的酸素要求量)、TN(全チッソ)、TP(全リン)でも約半数を占めていた。さらに、ため池の浚渫や掘削等がもたらす貯水量の増加によって、流量が増加した場合のため池の水質改善効果の可能性をシミュレーションによって検討した。その結果、浚渫工事に伴う貯留量の増加によって、灌漑期間におけるため池内のTN濃度は下げられるとともにその変動も小さく抑えられ、浚渫による水質改善効果が顕著に現れるため池では、貯留量が1.4倍になった場合に、TN濃度を最大で60%程度に抑えることが明らかになった。また、直接浚渫されないため池(子池)でも、上流のため池(親池)が浚渫されて貯留量が1.5倍になった場合には、親池からの負荷の減少による水質改善効果が現れ、TN濃度を最大で10%程度抑えることも明らかになり、ため池の整備事業がもたらす水質改善効果が定量的に把握された。
カテゴリ 傾斜地 水稲

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