課題名 | (2)新機能シルクを利用した多様な生活用資材の開発 |
---|---|
課題番号 | 2006008624 |
研究機関名 |
農業生物資源研究所 |
研究分担 |
農業生物資源研究所 生活資材開発U |
研究期間 | 新規2006-2010 |
年度 | 2006 |
摘要 | (1)繭糸強度は不完全優性遺伝する量的形質であり、ダイアレル解析の結果、一部ヘテロシスを示す組み合わせも見られたが、全般に優性効果に対してかなり相加効果が強く、遺伝率も0.8以上と比較的高いものであった。このことから、繭糸強度は育種によって導入できる形質であり、数個の遺伝子の集積で高められる可能性が示唆された。(2)人工皮膚用基材として1本の繭糸で織物を織る場合、糊付けにより、強度を補うことにより、繭糸が切断することなく加工できることが確認された。(3)繭糸により“組み”と“巻き”を繰り返すことによる人工血管用基材を作成し、動物への生体適合等を鑑み、セリシンを除去してフィブロインのみの繭糸チューブで作成する方法を検討した。現在、これを用いた動物実験を行っている。(4)蚕品種の繭糸における光沢や色彩の評価法について生糸を用い、平面に巻き取り、その表面を測定することで確立し、極細繊度品種である「はくぎん」が生糸の光沢や白色度についても優れた特徴を持つ事を明らかにした。(5)節に特徴のあるインテリア用壁紙を作成するために、繰糸中に任意に節状物を発生させる方法を開発した。これは太繊度フレキシブル繰糸機のカバード・シルクヤーン機構により、生糸をカバリングしながら繰糸する時に繰糸速度を任意に変えることにより可能となった。(6)物質生産を目的としたセリシン蚕品種の作出を目的に、“セリシンホープ”の低コスト人工飼料に対する摂食性を、交雑育種によって日本種・中国種それぞれ90%以上にまで高める事が出来た。また、営繭率及び化蛹歩合は、日本種(70%,70%)、中国種(41%,59%)に、単繭重も日本種(48.6mg)、中国種(54.6mg)と、改良前のセリシンホープを桑入り人工飼料で飼育した場合(46.3mg)よりも向上させる事が出来た。(7)絹糸へ紫外線照射による改変を試みた結果、処理時間が長くなるのに伴い抗菌活性が高くなることが確認された。 |
カテゴリ | 育種 加工 桑 低コスト 評価法 品種 |