課題名 | 7)熱帯・亜熱帯水域の生物資源の持続的利用及び水産養殖技術の開発 |
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課題番号 | 200709664 |
研究機関名 |
国際農林水産業研究センター |
研究分担 |
国際農林水産業研究センター,水産領域 |
協力分担関係 |
ラオス・水生生物資源研究センター |
研究期間 | 2006-2010 |
年度 | 2007 |
摘要 | 「エビ成熟」プロジェクトでは、エビの人為催熟法開発に向け、ホルモン抗体や組換え体の作製等、計画以上の進展がみられた。「水域資源管理」プロジェクトでは、資源評価のための漁獲統計収集や生態系モデル構築に必要なデータの収集・整理等が行われた。「水産養殖技術開発」プロジェクトでは、ラオス在来テナガエビ種苗生産技術開発に重要となる産卵孵化生態の一端を解明すると共に、キノボリウオ等の数万尾規模の種苗生産に目処をつけた。また、ウシエビと海藻2 種との混合養殖の有用性を池レベルで実証した。このように、全てのプロジェクトとも順調に進捗している。(1) 「エビ成熟」プロジェクト(【プロジェクト目標】 エビ類に共通する生殖機構を解明し、環境調節・ホルモン処理による人為的エビ類の成熟制御機構の確立し、これらの知見を発展途上現場における技術開発に応用する。)19 年度の主要実績:・ 眼柄切除法に拠らないエビの人為催熟法を開発するため、バナメイ成熟抑制ホルモン(Liv-VIH)特異抗体を作製した。・ オニテナガエビの卵黄形成抑制ホルモン( VIH ) 同定の一環として、血糖上昇ホルモン(Mar-CHH)組換え体を生産した。(2) 「水域資源管理」プロジェクト(【プロジェクト目標】 マレー半島西海域における水産重要魚種の漁獲量データ等を解析して資源評価を行うと共に、生物生息環境、生物生産、生物相互作用、食物連鎖機構等について、持続的安定生産のための要件を明らかにする。これらの知見を基に、現地の実状にあわせた資源管理モデルを構築して提案する。)19 年度の主要実績:・ 公式漁獲統計や標本船調査により、資源評価対象種の漁獲データを収集した。・ カゴ網予備漁獲調査を行い、資源評価に必要な生物・生態情報取得の見通しをつけた。・ 生態系モデル(Ecopath)構築のため、必要となる情報を収集・整理すると共に、炭素・窒素安定同位体比測定によりマングローブ域に生息する生物の食物連鎖構造を把握した(19 年度 研究成果情報)。(3) 「水産養殖技術開発」プロジェクト(【プロジェクト目標】 発展途上地域の内水面と汽水域の異なった環境において、在来種を対象とし、環境に配慮した低投資でかつ安定的生産可能な魚介類養殖技術開発を行う。)19 年度の主要実績:・ ラオス在来テナガエビ最重要種をMacrobrachium yui と同定。特徴ある生態の一端を解明した。・ 生態を考慮した飼育水への海水添加(塩分濃度 3.5 0/00【per mil】)により、幼生生残率を劇的に向上させ、着底した稚エビを得た。・ ホルモン投与によるキノボリウオ等の人為採卵に成功し、数万尾規模の種苗生産に目処をつけると共に、採卵適期でない低水温期の乾季にも採卵に成功し、長期間の種苗生産を可能とした。・ 海藻2 種とウシエビの混合養殖が生残率、収量、コスト面等で優れることを実際の養殖池レベルで実証した(19 年度 研究成果情報)。 |
カテゴリ | 亜熱帯 コスト |