課題名 | (2)イネ及びイネ科作物のゲノムリソースの開発と利用 |
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課題番号 | 200709625 |
研究機関名 |
農業生物資源研究所 |
研究分担 |
植物ゲノム研究U,(基盤) ゲノムリソースセンター |
研究期間 | 2006-2010 |
年度 | 2007 |
摘要 | 1.イネ完全長 cDNAのうち新規な 1,849クローンの配列解読を行って公開した。また遺伝子発現におけるシス因子の検出のツールを開発し、RiCESと名付けて公開した(図1http://hpc.irri.cgiar.org/tool/nias/ces)。RiCESは、ユーザが定義した遺伝子群において保存的に見られるモチーフを表示したり、研究者自身の実験によって得られた新規シス因子候補、ならびにそれらの組み合わせパターンについても表示できる。2.新規なオオムギ完全長クローンの全長解読を進め、このうち20,000配列について解読が終了した。3.栽培・野生から作製した BACライブラリーを用いて12種類の遺伝子の配列決定を行った。また昨年度単離した脱粒性遺伝子 qSH1以外に新しい脱粒性遺伝子を同定した。4.植物タンパクをドメインの類似度を指標に分類した SALADデータベースを改良して試用公開にまで行っている。5.イネのテロメア領域には染色体特異的な塩基置換が主にテロメアリピートの Tに多く起こり、染色体特異的な塩基置換がテロメア複製時に急速に増幅されていった様子が明らかになった (図2)。6.オオムギの閉花性遺伝子の座乗領域を 0.06cMまで狭めることができた。7.昨年度作製したコムギ FT遺伝子のオーソログをコムギ植物内で発現した個体を利用して、コムギの vernalization関連の遺伝子が相互に制御しあっており、イネには見られない遺伝子制御が明らかになった。8.Tos17挿入部位の18,578件のシークエンスデータを取得し、データベースに入力した。Tos17データベースで公開しているTos17挿入部位数は、33,772箇所となった。9.FOX(過剰発現)イネ系統の作製を継続して実施した。本年度までに配布対象のFOX系統数は、RIKEN由来が8,220系統、FAIS由来が515系統、計8,735系統となった。10.新規なイネ完全長cDNA、4,902クローンのグリセロールストック作成、配布用DNA調製及び品質チェックを実施した。分譲業務においては、イネ完全長cDNAクローン:534件、3,357クローン、Tos17変異系統:176件、936系統、遺伝解析材料:34件、集団(BIL, CSSL等)19セット、個別53系統、親品種17系統を提供した (図3)。また、遺伝解析材料として、 コシヒカリ/Nona Bokura(CSSL44系統)を含む新たな3集団を公開した。11.マイクロアレイ研究支援は、5年間のイネゲノムプロジェクト関係者の支援経験を元に、平成20年2月農業生物資源研究所の開放型研究施設(オープンラボ)として公開した(図4)。平成19年度の利用実績は、133回であった。 |
カテゴリ | 大麦 ストック データベース 品種 |