スクレイピー感染抵抗性羊群の作出と生産性の評価

課題名 スクレイピー感染抵抗性羊群の作出と生産性の評価
研究機関名 北海道立畜産試験場
研究分担 家畜生産部特用家畜科
研究期間 H15~19
年度 2003
摘要 目的:日本の羊にはスクレイピーが散発しており、公衆衛生上の問題からこの制圧も重要な課題となる。羊にはPrP遺伝子の多型に起因するスクレイピー自然抵抗性が存在するので、これに基づいて次世代繁殖羊を選ぶことにより、容易にスクレイピー抵抗性羊群を作出できる。しかし、特定の遺伝子型を選別することにより、生産性に不利益な形質がもたらされる可能性があり、検証が必要である。初年度は、畜試における羊群全体のPrP遺伝子型の分布を明らかにし、PrP遺伝子型に基づく計画繁殖と出生子羊の生産性評価を開始した。方法:1) 道立畜試羊群におけるPrP遺伝子型の解析 平成15年度、道立畜産試験場の羊全頭(437頭:新生子羊220頭、成羊217頭)について、EDTA全血サンプルよりDNAを抽出し、PCRによりPrP遺伝子を増幅後、塩基配列解析あるいはリアルタイムPCR法による一塩基多型解析により、コドン136および171のアミノ酸型を同定した。また、平成14年生産新生子羊(186頭)の保存DNAについてもPrP遺伝子のアミノ酸型を同定し、比較した。2)PrP遺伝子型による繁殖羊の選別と計画繁殖 PrP遺伝子型に基づき計画繁殖を開始した。3)出生子羊の生産性評価 生時体重と初期発育データについて、コクシジウム発症個体を除外し、年次、性、出生型、種雄、PrP遺伝子型を要因として、SASのGLM(一般線形モデル)プロシジャーによる多変量解析を行った。成績の概要:1)-(1) PrP遺伝子型は、感受性に関わるコドン136のアミノ酸型では、感受性のV(バリン)は検出されず、すべて非感受性のA(アラニン)ホモであった。抵抗性に関わるコドン171のアミノ酸型では、抵抗性のR(アルギニン)と非抵抗性のQ(グルタミン)が検出された。RR、QR、QQの構成割合は12.4%、44.6%、43.0%であり、Rの遺伝子頻度は34.7%であった。1)-(2) 平成14年生産新生子羊についても、コドン136のアミノ酸型はすべて非感受性のA(アラニン)ホモであった。平成14年、15年生産新生子羊のコドン171のアミノ酸型構成割合では、Rの遺伝子頻度は28.8%から37.3%に上昇した。主な要因としては、交配雄羊としてNZから新たに導入したQR個体2頭が供用開始となり、QQ 個体の供用比率が低下したためと考えられる。2)  育成雄羊の中からPrP遺伝子型解析に基づきRR個体を交配雄羊に選別、供用開始し、前年まで供用したQQ個体を供用終了した。次世代子羊のRR個体のデータ数増加を期待できる。3)最小自乗平均の多重検定結果から、性ならびに出生型による差が生時、30、60、90日齢補正体重において認められ、種雄の違いによる差は90日齢補正体重で認められた。一方PrP遺伝子型においてはいずれの発育値にも有意差が認められなかった。
研究対象 羊
戦略 畜産
専門 その他家畜
部門 育種
カテゴリ 育種 抵抗性 繁殖性改善 羊

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