タイトル | アルストロメリアにおける色素組成と新規アントシアニンの同定 |
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担当機関 | (独)農業・生物系特定産業技術研究機構 北海道農業研究センター |
研究期間 | 2003~2005 |
研究担当者 |
斎藤規夫(明治学院大) 鴫原 淳(星薬科大) 篠田浩一 村田奈芳 本多利雄(星薬科大) 野菜技術センター) 立澤文見(北海道拓殖短大) 鈴木亮子(道立花 |
発行年度 | 2003 |
要約 | アルストロメリアのブラジリアンハイブリッド品種の花被には、黄赤色を呈する 新規アントシアニン(6-ヒドロキシペラルゴニジン3-グルコシド及び6-ヒドロキシ ペラルゴニジン3-ルチノシド)が存在する。また、アントシアニンを主要色素とする品 種は、外花被の花色及び色素組成から4つのグループに類別される。 |
キーワード | アルストロメリア、花色、アントシアニン、色素組成、花き |
背景・ねらい | 新花色品種の育成には含有アントシアニンの解析が重要なことから、花被に含まれる未 知アントシアニンの単離と同定を行うとともに、アントシアニンを主要色素とする 39 品 種について花色によるグループ分けを行い、花色とアントシアニン組成の関係を明らかに する。 |
成果の内容・特徴 | 1.アルストロメリアのブラジリアンハイブリッド品種花被には、黄赤色を示す2種類の新規アントシアン、6-ヒドロキシペラルゴニジン3-グルコシド(6-hydoroxypel- argonidin 3-O-(β-D-glucopyranoside))及び6-ヒドロキシペラルゴニジン3-ルチノ シド(6-hydroxypelargonidin 3-O-[6-O-(α-L-rhamnopyranosyl)-β-D-glucopyranoside]) (図1)が存在する。 2.アントシアニンを主要色素とする 39 品種は、外花被の花色のカラーチャート(RHS.CC) による測定から、赤色、赤紫色、紫色の3つのグループに分けられ、このうち赤色のグ ループは色素組成からさらに2つに分けられる(図2)。黄色味の強い赤色花の品種は、 主要色素に6-ヒドロキシペラルゴニジン3-ルチノシド及び6-ヒドロキシシアニジ ン3-ルチノシドを持ち、いずれもブラジリアンハイブリッド品種である。これ以外の 赤色花の品種は、主要色素がシアニジン3-ルチノシドまたは6-ヒドロキシシアニジ ン3-ルチノシドである。また、赤紫色花の品種は、主要色素が6-ヒドロキシデルフ ィニジン3-ルチノシドであり、紫色花の品種は、主要色素がデルフィニジン3-ルチ ノシドである(表1)。 3.内花被条斑部の色はいずれの品種でも暗紫色であり、シアニジン3-ルチノシドが主 要色素である(表1)。 |
成果の活用面・留意点 | 1.ブラジリアンハイブリッド品種との交雑により6-ヒドロキシペラルゴニジン系色素の集積を図ることで、従来の品種にはない黄色味の強い赤色の花色を示すアルストロメリアの品種育成に活用することができる。 |
カテゴリ | アルストロメリア カラー 品種 |