だいこんのキスジトビハムシを主体とする根部加害性害虫の防除法

タイトル だいこんのキスジトビハムシを主体とする根部加害性害虫の防除法
担当機関 道南農業試験場
研究期間 2001~2003
研究担当者 柿崎昌志
鳥倉英徳
発行年度 2003
要約 キスジトビハムシは、発生源雑草管理やエンバク前作、播種時テフルトリン粒剤 作条施用と多発期の茎葉散布併用による防除で、ネキリムシ類は性フェロモントラップで 発生量を把握し、少発生時はキスジと同時防除が可能である。タネバエは誘引を助長する 有機質の管理を徹底する。
キーワード ダイコン、キスジトビハムシ、タネバエ、ネキリムシ、防除の効率化
背景・ねらい 露地だいこんの主要病害虫であるキスジトビハムシ、タネバエ、ネキリムシ類の被害軽 減のため、作型別発生・被害状況を把握し、各薬剤の特性・用法の組み合わせにより、防 除の効率化を図る。
成果の内容・特徴 1.キスジトビハムシ 1)根部被害は5月~9月上旬播種作型まで発生し、特に6月上旬~8月下旬播種の作型
の無防除では被害根率が極めて高かった(図1)。 2)播種後30日前後の10株葉寄生成虫数が1-2頭以上で、収穫時の被害根率がほぼ100%
(図2)、根部被害程度(0-4)も2(中)以上となった。 3)播種時処理の9薬剤のうち、テフルトリン粒剤4kg/10a作条施用(F剤)の被害防止効
果が最も高く、収穫時まで持続した。同剤でも多発期には被害を防ぎきれないため(図 1)、播種20-30日後から茎葉散布剤(DEP剤、トルフェンピラド剤)を複数回散布し、被害 低減をはかる(図3)。
4)エンバク野生種前作は小麦前作に比べ被害低減効果がある(図4)。 2.タネバエ
1)発生は、年次間差および地域間差が大きい。カイロモントラップ(2-フェネチルアル コール:n-吉草酸=4:1)は多数の成虫を誘引するが、産卵消長とは異なるため、被害 消長を捉えるには適さない。しかし、本トラップを用いた大量誘殺法は、密度低減効果が 認められる。
2)有機質(魚粉や前作残渣の影響など)の増加にともない被害が助長される。 3.ネキリムシ類(主としてタマナヤガ)
1)発生は、年次間差が大きい。性フェロモントラップは予察灯より効率的に成虫を捕獲 でき、発生量の把握には有効である。 4.以上より、キスジトビハムシを主体とする根部加害性害虫の効率的防除法を図5に示 す。耕種的方法を加えながら、播種時テフルトリン粒剤作条施用と多発時の茎葉散布剤併 用による防除を行い、ネキリムシ類は少発生時はキスジとの同時防除する。タネバエは発 生を助長する有機質多用を避け、作物残渣処理を徹底し、多発を防止する。
成果の活用面・留意点 1.だいこんのキスジトビハムシを主体とする根部加害性害虫の防除に活用する。
カテゴリ 病害虫 害虫 雑草 性フェロモン だいこん 播種 防除 薬剤

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