秋まきコムギに対する微量要素(銅・マンガン)の施用指針

タイトル 秋まきコムギに対する微量要素(銅・マンガン)の施用指針
担当機関 十勝農試
研究期間 2001~2003
研究担当者 十勝管内
発行年度 2003
要約 土壌中の可溶性銅、マンガン濃度が基準値以下の土壌に対しては幼穂形成期~節 間伸長初期(草丈 20cm 程度)までに、銅は硫酸銅で 20g/100L/10a/回、マンガンは硫酸 マンガンで 100g/100L/10a/回を 2 回葉面施用する。
キーワード 秋まきコムギ、銅、マンガン、葉面施用
背景・ねらい 十勝管内の主要土壌、特に黒ボク土における秋まきコムギの微量要素潜在欠乏または欠
乏地帯を明確にし、有効な対策技術を組み立て収量規制要因の解消を図る。
成果の内容・特徴 1) マグネシューム、マンガン、銅、亜鉛、モリブデンを含む微量要素混合材の葉面施用に より 22%程度の圃場で秋まきコムギの収量が改善され、その主要成分は銅、マンガンと推 定される。一方、微量要素混合材の葉面施用により 17%程度の圃場で秋まきコムギの収量 が低下するが、この原因は葉面施用時期、施用時の生育ステージと考えられる(データ省 略)。 2) 銅の葉面施用によって明らかな増収(指数 110%以上)が認められる地点は 30%、マンガ ンの葉面施用効果が明らかな地点は 16%に達する(表 1)。微量要素肥料の土壌施用効果は 主として土壌中の可溶性銅濃度に律せられると推測する(図 1)。 3) 土壌中可溶性成分濃度が低い条件で、銅の葉面施用効果がマイナスとなる場合(図 1)の 主因は施用時期が遅かったことと、葉面散布材の銅濃度が高かったことにより(表 2、図 1)、 マンガンの葉面施用効果がマイナスとなる主因は、当該成分の葉面施用による葉中マンガ ン濃度が過剰域にまで上昇するためである(図 2)。 4) 銅の施用効果が発現する土壌の可溶性銅濃度は、1腐植濃度 5%以下の土壌:0.7ppm 未満、2同 5~10%の土壌:0.5ppm 未満、3腐植濃度 10%以上の土壌:0.3ppm 未満であ る。マンガンの施用効果が発現する地帯は然別山麓、日高山麓の礫質土壌に集中し、交換 性マンガン濃度が 4ppm 未満で、土壌 pH5.5~6.5範囲の土壌である(表 4)。 5) 秋まきコムギに対する葉面施用は幼形期から節間伸長初期にかけて、銅は 20g/100L/10a/回、マンガンは 100g/100L/10a/回を 2 回施用する(表 4)。なお、初期生育劣る地域では微量要素肥料の播種期土壌施用効果が銅の葉面施用よりまさる(表 3)。
成果の活用面・留意点 1) 本成績の活用は、土壌診断を前提とし、全道の火山性土の銅・マンガン欠乏地帯に適用 する。 2) 微量要素肥料の葉面施用は効果が大きく、かつ、土壌中当該成分量を蓄積させない有効 な手段である。 3) 微量要素の葉面施用に用いる硫酸銅は低濃度であっても酸性を呈し薬害を生じさせや すいので設定した施用時期と濃度を厳守する。また施用機は使用後の洗浄を十分行う。
カテゴリ 肥料 土壌診断 播種

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