シバの各種繊維分画含量および推定栄養価の季節変動

タイトル シバの各種繊維分画含量および推定栄養価の季節変動
担当機関 中国農業試験場
研究期間 1995~1995
研究担当者 小迫孝実
西村宏一
林義朗
発行年度 1995
要約 シバは、酵素法によるセルラーゼ不溶性分画(Ob)が乾物中71.0%と消化性の低い飼料であり、年次的にも季節的にも変動が少ない。推定TDNは50.0%、推定DCPは4.9%で、生育期間を通じて質的にきわめて安定した養分供給源である。
背景・ねらい  シバは、見かけ以上に生産量が大きく、景観や土地の保全機能も高いことから、近年シバ型草地の放牧利用が注目されている。しかし、シバの飼料成分の分析事例は少なく、その飼料特性には解明されていない点も多い。そこで、シバを利用した適正な肉用牛の飼養管理を図るため、反芻動物で重要となる飼料中の繊維成分および推定栄養価の季節的変動を明らかにする。
成果の内容・特徴
  1. 無施肥条件で肉用種繁殖牛の定置放牧に利用している草地から採取したシバの各種繊維分画含量は、生育期間を通じて大きな変動はみられず、また、1994年のような記録的な酷暑においても安定している。乾物中の各分画の平均含量は、NDF77.4%、ADF32.2%、ヘミセルロース45.2%、リグニン4.4%、Oa7.2%、Ob71.0%で、酵素分析の値からシバは季節に関係なく消化性の低い飼料である(図1、図2)。
  2. シバの一般成分含量およびめん羊を用いたシバを主体とする試料の消化試験成績(東北農試、1983)にもとづいて栄養価を推定すると、TDNは季節の進行にともなって漸減し、DCPは春と秋に高い傾向を示すが、これらの変動幅は小さく、いずれも500kgの肉用成雌牛の維持に要する飼料中の養分含量をほぼ満たしている。平均TDNは50.0%、平均DCPは4.9%である(図3)。
  3. シバはその生育期間を通じて質的にきわめて安定した養分供給源であり、草地の養分供給量の季節変動は乾物生産量の変動によりほぼ把握できる。

成果の活用面・留意点  草の乾物消化率が50%の場合、放牧牛の標準的な採食草量(日本飼養標準、1995)は維持量程度となるので、シバ優占草地のみの放牧利用の場合、放牧条件や泌乳条件によっては養分の不足が考えられる。
図表1 210142-1.jpg
図表2 210142-2.jpg
図表3 210142-3.jpg
カテゴリ 季節変動 飼育技術 施肥 肉牛 繁殖性改善

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