クフェア属植物の休眠打破と育苗方法

タイトル クフェア属植物の休眠打破と育苗方法
担当機関 中国農業試験場
研究期間 1993~1995
研究担当者 香西修治
坂本徳造
小川泰一
大川安信
福岡浩之
発行年度 1995
要約 クフェア(Cuphea )属植物は様々な程度の休眠性を示したが、種皮の剥離、硫酸処理により休眠が打破され、発芽率が向上する種が存在した。育苗は保水性と通気性を考慮した混土堆肥、燻炭、川砂を混合した用土が適していた。
背景・ねらい  医薬品・機能性食品として、種子中の中鎖脂肪酸の利用が期待されるクフェア属植物では、栽培化のために様々な形質の選抜や導入が必要とされている。しかしながら、野生種のため、その栽培法や圃場栽培に関する情報が非常に少ない。しかも、高い発芽率を示す種から、全く発芽しない種まで、様々な程度の休眠性を示した。そこで、種子の休眠打破の方法と育苗法を明らかにし、栽培するための有効な情報を得ようとした。
成果の内容・特徴
  1. クフェア属植物は80%以上の高い発芽率を示す種から、全く発芽しない種まで、様々な程度の休眠性を示したが、種皮を剥離することにより発芽率が向上し、休眠打破ができる種が存在する(表1)。
  2. 栽培化の対象として適していると思われる Cuphea leptopoda の休眠打破には、0.2%の硝酸カリウム処理、15分間の硫酸処理が効果があることが明らかである(表2)。
  3. 硫酸による休眠打破処理後、種子を乾燥させても発芽率が低下せず、ポットに直接播種できることが明らかである。
  4. C. leptopoda の育苗には、混土堆肥、燻炭、川砂を15:10:3に混合した自家製用土が適する(表3)。

成果の活用面・留意点  本成果は、クフェア属植物を栽培するために有効な情報である。表2に示す種々の休眠打破の方法の有効性は、本研究ではC. leptopoda についてのみ調査したが、他のクフェア属植物の種子の休眠打破についても効果のある事が期待できる。クフェア属植物の種子の休眠については不明な点が多く、上記の休眠打破の効果が、播種時の種子の熟度や貯蔵期間、温度等に左右される事があるので、注意を要する。栽培用土については、野菜用の市販の培養土の利用も可能であるが、野生種のため、多肥による発芽阻害、生育阻害が出やすいので、肥料の含有量の低いものを選ぶ必要がある。
図表1 210145-1.jpg
図表2 210145-2.jpg
図表3 210145-3.jpg
カテゴリ 肥料 育苗 乾燥 機能性食品 播種

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