野菜用畝溝走行汎用作業台車

タイトル 野菜用畝溝走行汎用作業台車
担当機関 中国農業試験場
研究期間 1996~1999
研究担当者 岡崎紘一郎
熊倉裕史
林 清忠
発行年度 1996
要約 歩行型クローラ走行防除機の防除タンクを取り外し、座席及び手元で操作できる速度制御レバー、苗のせ台を取り付けた台車を開発した。本機により、軟弱野菜の移植や収穫作業が腰かけたままで可能となり、中腰姿勢から解放される。
背景・ねらい  中山間地域の農業は規模が小さく、狭小な圃場など、生産基盤の脆弱さとあいまって、農業労働力の減少・高齢化が進行しつつある。中山間地の小産地に適し、周年就労を可能とする高収益農業生産を展開するには、小型機械による野菜類の軽作業化技術の確立が必要となっている。野菜用機械の開発は近年盛んとなっているが、大型で高価なものが多く、中山間地など小規模産地には向いていない。このため、雨よけハウス内の軟弱野菜栽培の軽作業化を狙って、畝溝を走行する小型汎用作業台車を開発する。
成果の内容・特徴
  1. 本作業台車(表1)は、歩行型クローラ走行防除機の防除タンクを取り外し、速度制御レバー、て地上高24㎝の高さに取り付け、両足を溝底に置いて作業できる(図1、2)。作業しながら手元のレバーで速度制御ができ、苗のせ台を手元近くに置けるようにしている。
  2. 作業台車を使用しない慣行方式では、中腰作業が多く、次の地点へ移動のための立ち上がりを必要とし、さらに、苗または収穫物の人力抱え運搬作業が必要であるが、作業台車を使用することにより、座席に腰掛けた状態で移植や収穫などの作業が連続してでき、作業者の負担を軽減する。高さ15㎝の畝では、本機に座乗状態で畝表面60㎝の範囲まで両手での作業が可能である。
  3. 作業台車を用いたホウレンソウセル成型苗の移植作業は、台車を用いないときに比べて、作業能率は22分/㎡と約14%向上し、作業姿勢は腰角度はやや増加するが、膝と下腿角度は小さくなる(表2)。台車使用による収穫作業は、慣れないこともあり、作業時間は4.6分/㎡と約22%多く必要となるが、腰や膝、下腿の曲げ角度はかなり小さくてすみ、中腰姿勢から解放される(表3)。
成果の活用面・留意点  溝底幅32㎝の畝立て野菜栽培圃場において、畝溝を走行する防除機としての使用に加えて、本作業台車は両足を溝底において腰掛けたままでの移植や収穫作業に利用できる。
 ハウス内作業では排気ガス対策のための換気に努める。
図表1 210187-1.jpg
図表2 210187-2.jpg
図表3 210187-3.jpg
図表4 210187-4.jpg
カテゴリ 病害虫 中山間地域 防除 ほうれんそう 野菜栽培

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