転換畑キャベツの緩効性肥料を利用した定植直前の畝立て作条施肥技術

タイトル 転換畑キャベツの緩効性肥料を利用した定植直前の畝立て作条施肥技術
担当機関 環境保全係
研究期間 1996~1996
研究担当者 園田敬太郎(環境保全係)
吉川雅造
大橋恭一
平井康博(土壌肥料係)
発行年度 1996
要約 輪換畑のキャベツ栽培における施肥量節減と省力化を図るための施肥技術として、トラクター装着施肥機利用によるCDU化成肥料の定植直前の畝立て作条施肥は、施肥効率が高く、窒素施肥量の節減が図れ、環境負荷削減に有効である。
背景・ねらい  輪換畑キャベツは、水稲に比べて施肥量が多いこともあって、硝酸態窒素を中心に肥料成分の流出量が多く(特に生育初期)、環境への負荷増大が懸念される。また、現地は大区画圃場での栽培であり、労力分散等から「圃場全体一括施肥-随時分割定植」の作業体系が主であるため、施肥から定植までの期間が長くなり、肥料の利用率低下が考えられる。そこでトラクター装着施肥機を利用して、緩効性肥料等を定植直前に畝立て作条施肥することによって、施肥効率を高め、施肥量の節減と環境への負荷軽減を図る。
成果の内容・特徴
  1. トラクター装着施肥機(サンソワーRS80N(ジョーニシ))の肥料ホッパーの容量は40㎏2連である。施肥量調節は、肥料落下調整シャッター部を固定することと、トラクター速度(回転数)を一定とすることで可能である。
  2. CDU化成肥料の定植直前の畝立て作条施肥は、窒素施肥量を17%程度(約5kgN/10a)節減が可能である。また、追肥の必要がないことから省力も図れる(表1)。
  3. 畝立て作条施肥のキャベツ収量(球重)は、慣行(CDU化成全層施肥)並みであり、窒素利用率は慣行に比べて10%以上高く、施肥効率が向上する(表2)。
  4. T-N流出量は慣行に比較して 5%程度削減可能と考えられる(表3)。ライシメータ試験おいても、同様の効果が認められる(表4)。
成果の活用面・留意点
  1. 畝立て作条施肥法については、土壌水分が高いと砕土率が悪くなり、活着や初期生育が遅れ、その後の生育や施肥効率が劣る。特に水稲跡圃場では、土壌の水分・砕土状態を考慮して実施する必要がある。
  2. 施肥機をトラクターの前後に装着し、同時に根こぶ病防除(フルスルファミド粉剤施用)を実施するのが望ましい。
図表1 210216-1.jpg
図表2 210216-2.jpg
図表3 210216-3.jpg
図表4 210216-4.jpg
カテゴリ 肥料 病害虫 キャベツ 栽培技術 省力化 水稲 施肥 防除

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