養液栽培におけるホウレンソウのシュウ酸、硝酸含量の低減化

タイトル 養液栽培におけるホウレンソウのシュウ酸、硝酸含量の低減化
担当機関 中国農業試験場
研究期間 1996~1999
研究担当者 浦島泰文
塩見文武
堀 兼明
発行年度 1996
要約 養液栽培において、ホウレンソウのシュウ酸、硝酸含量は、培養液の硝酸態窒素とアンモニア態窒素の比率により変動する。栽培前半を硝酸態窒素で、後半をアンモニア態窒素で栽培することにより低シュウ酸、低硝酸含量の生産物が得られる。
背景・ねらい  ホウレンソウの養液栽培においては、生産物の高品質化に期待が大きい。そこで、培養液の組成がホウレンソウの低品質関連成分であるシュウ酸、硝酸含量に及ぼす影響を解明し、高品質安定生産技術を開発する。
成果の内容・特徴
  1. 培養液の窒素濃度(硝酸態窒素)が濃くなるに伴って、ホウレンソウ(品種:グロ-リ-)の硝酸含量は増加する。シュウ酸含量は培養液の窒素濃度が1me/Lの低濃度条件下では低い。しかし、4me/L以上では窒素濃度による変動は僅かである(図1)。
  2. 培養液の硝酸態窒素とアンモニア態窒素の比率では、アンモニア態窒素の比率が高くなるほど生育は劣る。一方、ホウレンソウのシュウ酸、硝酸含量は低下する傾向にある(図2)。
  3. 栽培前半を硝酸態窒素(12me/L)で栽培し、収穫1週間前にアンモニア態窒素(12me/L)に取り替えることによりホウレンソウ生育はやや遅延するものの、全シュウ酸含量は61%、硝酸含量は90%低下する(表1)。
 以上、培養液の窒素濃度の調節によりホウレンソウのシュウ酸含量を低下させることは困難と判断される。一方、培養液の窒素の形態によってシュウ酸、硝酸含量は変動することが明らかとなり、硝酸態窒素とアンモニア態窒素の施用を調節することによりシュウ酸、硝酸含量の低いホウレンソウ栽培が可能である。
成果の活用面・留意点  本試験は、湛液型の水耕装置で4月と6月に実施した。7~8月の高温期での検討が必要である。
図表1 210228-1.jpg
図表2 210228-2.jpg
図表3 210228-3.jpg
カテゴリ 肥料 品種 ほうれんそう 養液栽培

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