タイトル |
データと価値判断の幅を考慮したフレキシブルな技術評価手法 |
担当機関 |
中国農業試験場 |
研究期間 |
1996~1999 |
研究担当者 |
林 清忠
岡崎 紘一郎
熊倉 裕史
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発行年度 |
1996 |
要約 |
収益性と作業特性を2つの大きな評価基準とした農業技術体系の評価手法を開発した。不完全な情報下での事前評価の場面で、評価データや農家の価値判断の幅を組み入れた技術評価ができる。
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背景・ねらい |
新たな農業技術体系を総合的に評価するためには、収益性と同時に作業面での特性を把握する必要がある。しかし、一般に評価過程には様々な不完全性がみられ、しかも複数の評価基準はトレードオフ関係にある場合が多い。そこで、評価データや農家の価値判断の幅(区間)を考慮した多属性価値関数を援用し、フレキシブルな技術評価手法を開発する。
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成果の内容・特徴 |
- 収益性と作業特性の2つを大きな評価基準(属性)とする評価モデル
υ(χ) = ω1 υ1 (χ1 ) + ω2 υ2 (χ2 ) を作成した(図1)。υ1 (χ1 ) が収益性を、υ2 (χ2 ) =Σni =1 ω2 i υ2 i (χ2 i ) が作業特性を示す。χ1 は純収益、χ2 i は各作業項目の作業時間、ω1 、ω2 、ω2 i はウェイトである。 - このモデルには区間(可能性分布の一種)が導入されているため、事前評価の場面でみられる対象を完全に記述できない状況(不精密性や不確実性)に対処することができる。価値関数は線型(区間関数)である。ウェイトの測定には、データ(評価尺度)の最大値と最小値を明示的に考慮する方法を用いる。
- 無間引栽培・収穫機導入によるダイコン作新技術体系(表1)の事前評価の結果を例示する。作業項目に対するウェイトは農家が作業の改善を望む度合を表している(図2)。代替案は、収益性と作業特性を軸とする平面上で比較できる(図3)。右上の方向に位置するほど望ましい代替案である。収益性をみると、代替案A、代替案Bの中心位置は慣行体系とほぼ同じであるが、その幅(バラツキ)は慣行体系より大きい。作業特性では、代替案Bは慣行体系を完全に優越している(重複部分がない)。さらに、収益性の中心位置と作業特性の区間から求められる総価値の小区間(実線)で比較すると、代替案A、Bは慣行体系を完全には優越しない(弱い意味で優越する)ことがわかる(図4)。以上のように本手法は不完全な情報下において技術体系を事前に評価する上で有効である。
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成果の活用面・留意点 |
本方法の直接の評価対象は、野菜作における省力化技術体系であり、他の問題へ適用する際には、評価基準の検討が必要である。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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図表4 |
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図表5 |
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カテゴリ |
収穫機
省力化
だいこん
評価基準
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