タイトル |
細断したグランドカバープランツの植え付けによる緑化法 |
担当機関 |
兵庫県立北部農業技術センター |
研究期間 |
1996~1996 |
研究担当者 |
岩本政美
岩本豊
福嶋昭
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発行年度 |
1996 |
要約 |
グランドカバープランツによるのり面等の緑化を図るため、細断した茎葉を専用の培養土と混ぜ合わせ植え付けた。その結果、マツバギク及びメキシコマンネングサなど数種類で細断植え付けによる緑化が可能である。
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背景・ねらい |
近年、グランドカバープランツを利用したのり面等の緑化が注目を浴び、今後さらに大規模緑化への需要が増加すると予想される。しかし、従来のポット苗を植え付ける方法では、多大な種苗費用と植え付け労力がかかる。 そこで、グランドカバープランツの細断植え付け方法及び適種類を検討する。
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成果の内容・特徴 |
- ポリポットで栽培した株の茎葉を一節に分割(細断A);アークトセカ、アジュガ、イブキジャコウソウ、数節に分割(細断B);コグマザサ、シバザクラ、ヘデラヘリックス、マツバギク、メキシコマンネングサ、一芽に分割(細断C);タマリュウ。
- 専用の培養土(㎡当たりピートモス5リットル、バーク堆肥5リットル、被覆養成材400g,緩効性肥料150g,苦土石灰35gを混合)と㎡当たり25ポット分の細断した茎葉を混合し植栽面に植え付ける。乾燥防止と活着促進のため不織布(透過率90%)を1か月間被覆する。
- 植栽処理1か月後の7月上旬の生育は緩慢であったが、2か月後の8月上旬の被覆率は、アークトセカ、マツバギク及びメキシコマンネングサが75~85%、さらに3か月半後の9月下旬には100%となった。アジュガ及びタマリュウは慣行のポット苗植え付け(25株/㎡)と同等か、それ以上の被覆率であった(図1、2、3)。
- イブキジャコウソウ及びシバザクラは生育が悪く、コグマザサ及びヘデラヘリックスは発根、発芽せず枯死し細断植栽には不適である。
- アークトセカ、アジュガ、マツバギク、メキシコマンネングサ及びタマリュウでは、1年後でも生育は順調であった(図4)。このことから、労力のかかる人手によるポット苗植え付けに代わる方法として、株を細断し培養土と共に植栽する緑化の方法が有効と認められた。
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成果の活用面・留意点 |
- 夏季の高温乾燥期には、施工しない方がよい。事前に植栽面の雑草を取り除く。
- 細断した茎葉を培養土中に完全に埋没させると発根、発芽しにくいので注意する。
- 大規模緑化には、専用の土壌吹き付け機を利用できないか検討する必要がある。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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図表4 |
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カテゴリ |
肥料
病害虫
アジュガ
乾燥
雑草
ヘデラ
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