ショ糖および殺菌剤を利用したダリア切り花の品質保持

タイトル ショ糖および殺菌剤を利用したダリア切り花の品質保持
担当機関 奈良県農業試験場
研究期間 1996~1996
研究担当者 今村有里
松倉一弘
発行年度 1996
要約 ダリアは花形や花色が豊富でボリューム感のでる切り花である。しかし、室内で開花させると、花弁が展開しにくく花色が薄くなりやすい。ショ糖(8%)+殺菌剤を前処理した切り花は、花弁の展開が促され、開花時の花色が改善される。
背景・ねらい  ダリアは夏季冷涼な気候に適し、露地作型で比較的安定した収益が得られるため、奈良県中山間地農業における重要な品目である。しかし、切り口が腐敗しやすく花弁や葉が早くしおれるため、消費者にとって利用しにくい切り花の一つである。また、室内で開花した切り花の花色は、圃場で開花したものに比べ薄く、品質が低下する。そこで、ショ糖と殺菌剤を利用して切り花の品質向上を図る。
成果の内容・特徴
  1. 切り花をショ糖8%+Ca(ClO)2 70ppm 液に24時間浸漬処理し出荷すると、中央花弁の展開が促されると同時に花弁の色が鮮やかになり、花色を圃場で自然に開花した状態に近づけることができる(表1)。
  2. 赤色系品種‘祝杯’、ピンク色系品種‘美榛’、オレンジ色系品種‘清雲’において、前処理による花色の改善効果がみられる。ただし、赤色度の強い‘花の宴’では、前処理の影響が見られない(図1)。
  3. 前処理して出荷する際の採花時期は、最外列花弁が垂直になった状態が適切である(図2)。
成果の活用面・留意点
  1. ショ糖濃度が10%以上になるとがくや葉端に黒変症状が発生することがある。
  2. Ca(ClO)2 剤は安価で殺菌効果も高いが、酸化作用が強く24時間を越える浸漬は茎を傷める危険性がある。
  3. 前処理では、花の大きさやしおれの発生に対する影響は見られない。しかし、後処理としてショ糖2%+8-HQS(硫酸8ヒドロキシキノリン)200ppm液をいけ水として用いると、切り花により多くのショ糖が吸収され、2日早く満開し、花径が3cm程度大きくなるとともに、花弁がしおれ始めるのを3日程遅らせることができる。
図表1 210273-1.jpg
図表2 210273-2.jpg
図表3 210273-3.jpg
カテゴリ 出荷調整 ダリア 中山間地域 品質保持 品種

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