紫外線照射による‘グロー・コールマン’果粒の着色促進

タイトル 紫外線照射による‘グロー・コールマン’果粒の着色促進
担当機関 岡山県立農業試験場
研究期間 1996~1996
研究担当者 依田征四
田村史人
藤井雄一郎
発行年度 1996
要約 ブドウ‘グロー・コールマン’の着色が十分に進まない場合に、着色開始期から成熟期にかけて、紫外線の照射を1日当たり12時間、果房に向けて行うと、着色が促進される。そのほかの果実品質には悪影響を与えない。以上のことから、着色が劣るため商品性が十分でなかった果実の商品性が向上されるという可能性が示唆される。
背景・ねらい  ブドウ‘グロー・コールマン’はウイルスフリー化などによって着色が改善されているが、栽培条件によっては着色が十分に進まないことがある。その場合には、食味の善あしにかかわらず市場評価が低い。そこで、紫外線を着色開始期から果房に照射し、その効果を明らかにするとともに照射方法を検討し、品質性向上を試みる。
成果の内容・特徴
  1. 紫外線照射の光源として、最大長波352nmのブラックライト蛍光ランプ(FL40S・BLB)を用いて、図1の左側のように亜主枝の下方から上方に向かって紫外線を照射すると図2に示すように、無処理や反射マルチを地表面に敷いた場合よりも着色が促進される。
  2. 収穫果実の品質を比較すると、屈折計示度にわずかに差が認められるほかは、果房重、果粒重、果実硬度に処理による差は認められない。しかし、カラーチャート値は紫外線照射をおこなうと明らかに高い(表1)。
  3. 上記のような照射方法では、着色は明らかに促進されるが、果房の上部の着色が他の部分より劣る傾向が認められる。図1の右側に示すような上方から照射する方法をとると、着色は下方照射より促進される(表2)。
成果の活用面・留意点
  1. 果実の着色のみが劣り、商品性が十分に発揮できないような条件下では、紫外線照射によって、商品性を上げることが可能である。
  2. 外観の着色のみが先行してしまい、内容が伴わない場合も想定されることから、糖度が十分に上がらない条件かでの照射は行うべきでない。糖度は高いが着色が劣るような条件下のみの使用に限る。
図表1 210282-1.jpg
図表2 210282-2.jpg
図表3 210282-3.jpg
図表4 210282-4.jpg
カテゴリ カラー 栽培条件 着色促進 ぶどう 良食味

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