ナシの花芽かき取りによる摘蕾の省力化

タイトル ナシの花芽かき取りによる摘蕾の省力化
担当機関 岡山県立農業試験場
研究期間 1996~1998
研究担当者 安井淑彦
岡田俶郎
各務裕史
発行年度 1996
要約 花芽をかき取ると花は咲かないが、かき取り跡に新梢が1~2本発生し摘蕾とほぼ同等の効果をもたらす、この処理は、省力化、かつ、12月中旬から発芽期までの広い機関内に行うこでき、労力分散が図れる。
背景・ねらい  ナシは、主枝・亜主枝先端部には着果させないので摘蕾を行っている。しかし、出蕾後には花蕾を摘み取る従来の摘蕾法では、受粉直前の多忙な時期に多量の労力がかかる。そこで、花芽を早期に基部からかき取るという簡易で能率的な摘蕾技術を確立する。
成果の内容・特徴
  1. 花芽の基部から1/4の部分で切り取ると新梢は出てくるが花蕾は除かれてほとんど出てこないのに対し、1/2の部分で切り取ると40%近くの芽に花蕾が残る。花芽を基部からかき取っても、花芽着生部の脇から新梢が発生する(表1)。
  2. 花芽かき取り跡の新梢発生率は、供試したどの品種も70%以上であり、実用上問題はない。花芽かき取り跡に発生する新梢の長さは、短果枝ではどの品種も無処理よりも長く、長果枝では、幸水は無処理よりも劣るが他の品種では無処理と大差はない(表2)
  3. 花芽かき取り跡の新梢発生率は、長果枝の基部では無処理よりかなり低い。中央部から先端部にかけては無処理よりやや劣るが、実用上問題はない(表3)
  4. 12月中旬から発芽直後の4月上旬までの間では処理効果に差がない(表4)。
  5. 出蕾後に行う従来の方法とかき取りの作業能率を比較すると、かき取りの方が10培程度能率が高い(表5)。
成果の活用面・留意点
  1. 幸水ではかき取り部位の新梢伸長が劣るので、主枝、亜主枝、予備枝先端芽には適用しない。
  2. 長果枝基部では新梢の発生が劣るので適用しない。
図表1 210283-1.jpg
図表2 210283-2.jpg
図表3 210283-3.jpg
図表4 210283-4.jpg
図表5 210283-5.jpg
カテゴリ 受粉 省力化 品種

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