タイトル |
ノシバと短草型トールフェスクの組み合わせによる牧養力の安定化 |
担当機関 |
山口県畜産試験場 |
研究期間 |
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研究担当者 |
太田壮洋
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発行年度 |
1996 |
要約 |
ノシバと寒地型の短草型トールフェスクを組み合わせた放牧草地の総TDN量を試算すると、7月から10月まで10a当たり30カウデー以上を維持し、安定した牧養力を保つことが可能である。
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背景・ねらい |
ノシバと短草型牧草を組み合わせた草地による、草地の牧養力の安定化を検討するめノシバ(流通ノシバ:熊本系)、短草型トールフェスク(スノーTF)および3種混播(オーチャードグラス」、トールフェスク、白クローバ)の3草地の牧養力(CD=10a当たりのTDN量÷体重500kg黒毛和種雌維持TDN量)の比較を行った。
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成果の内容・特徴 |
- 平成8年の6月から10月までの気象は、平均気温は平年とほとんど差はなかったが、本年の降水量は平年に比べ少なく、日照時間も短かった(図1)。
- 調査方法は、平成8年の7月から10月まで毎月1回、黒毛和種雌3頭による放牧管理を行い、草量前後作法により牧区当たりの生産量を算出した。調査後、各区とも整理刈りを行った。
- 各区の調査日ごとの10a当たりCDは、ノシバ区では7月から10月まで徐々に増加するが、短草型TF区は7月から9月まで減少した後、10月でわずかに増加した。三種混播区は8月に夏枯によるダメージが大きく、草勢の回復のため9月以降一時休牧の必要があった。(表1)
- ノシバと短草型TFの組み合わせを想定して試算した10a当たりのCDは、7月から10月まで30CD以上を維持する。これは、10aの圃場内の養分量が体重500kgの黒毛和種雌牛1頭を30日間維持に要する量を満たすことを示す。
- ノシバと短草型TFを組み合わせることにより、夏枯れによる牧養力の減少が緩和され、夏期において安定した牧養力を保つことが可能である(図2)。
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成果の活用面・留意点 |
- シバ草地の牧養力の安定化に寒地型短草種との組み合わせが有効である。
- 夏期においては不食過繁地が生じやすいため短期輪換の実施や、面積的な余裕が必要である。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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カテゴリ |
寒地
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