乳牛尿汚水の簡易浄化法

タイトル 乳牛尿汚水の簡易浄化法
担当機関 兵庫県立中央農業技術センター
研究期間 1995~1995
研究担当者 秋田 勉
発行年度 1996
要約 乳牛尿汚水をオガクズで濾過することにより,その後6日間の間欠曝気(曝気量4m3 /時・m3 ,4時間曝気,1時間静置)で周辺の民家に迷惑のかからない土地還元が可能である。
背景・ねらい  現在,畜産の経営規模拡大により排出される尿汚水は増加傾向となっている。一方,畜産を取り巻く環境は「悪臭防止法」及び「水質汚濁防止法」等の公害防止法によりますます厳しく,河川などに尿汚水を排出するには多額の処理施設及び高度な処理技術が必要である。そのため尿汚水の処理は経費がかからない土地還元が有効と考えられる。このような状況の中で,尿汚水散布時に周辺環境への影響がある臭気及びSS等を除去するための簡易な尿汚水処理法を開発する。
成果の内容・特徴  オガクズを詰めた濾過槽(内容積約1.5m3 のコンクリートパネル槽に約1.5mの高さまでオガクズを詰めた)と曝気槽(1m3 容のFRPサイロ使用,曝気量4m3 /時・m3 ,4時間曝気,1時間静置の間欠曝気)を組み合わせた簡易浄化装置で尿汚水処理を行った(図1)。原尿汚水は畜舎にバーンクリーナを装備している酪農家のふんと尿が分離された尿汚水を用いた。
  1. オガクズ濾過槽を通すことによってSSの除去が改善され,その結果,BOD,COD 及び全窒素は低下する(表1)。
  2. 曝気することによって臭気指数でみた臭気は1/2になる(表2)。
  3. このオガクズ濾過槽の処理能力は1回約3m3 である。
  4. 飼料作物に悪影響のでない尿汚水の施用量は作物の収量,NO3-N含量及びK含量から1作10a当たり2.3t以下である(表4)。
  5. このシステムの経費(曝気槽容量1m3 )は127千円である。ランニングコストは37.2円/日である(表3)。
成果の活用面・留意点 尿汚水の土地還元を目的とした簡易な処理法として乳牛飼養農家で利用可能である。
多量の牛ふんが混入したものには適用できない。
原尿汚水はふんと尿を分離したものを用いる。
濾過槽には酒樽等,また曝気槽には既存の尿溜めや酒樽等が利用できる。
オガクズ濾過槽が目詰りした場合,表層20cm位を除けば連続使用が可能である。
図表1 210305-1.jpg
図表2 210305-2.jpg
図表3 210305-3.jpg
図表4 210305-4.jpg
図表5 210305-5.jpg
カテゴリ 規模拡大 くり 経営管理 コスト 飼料作物 乳牛

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