アルカリ添加物の処理による小型ロールベールラップサイレージのカビ抑制法

タイトル アルカリ添加物の処理による小型ロールベールラップサイレージのカビ抑制法
担当機関 島根県立畜産試験場
研究期間 1996~1996
研究担当者 鎌田隆義
仁島毅
帯刀一美
発行年度 1996
要約 水酸化ナトリウムおよび尿素の添加処理は、小型ロ-ルベ-ルラップサイレ-ジのカビ抑制に効果が認めらる。とくに尿素に顕著な効果が有り、材料原物重当たり0.5%の添加量でフィルム2層巻きサイレ-ジでも、カビがほぼ抑制される。
背景・ねらい  ロ-ルベ-ルラップサイレ-ジの場合、サイレ-ジの品質維持の見地からフィルムの巻層数は50%重ねの4層巻きが一般的であるが、小型ロ-ルベ-ルラップサイレ-ジの場合には、4層巻きでも長期貯蔵ではカビが発生しやすい。また、巻き層数を増加すると、大型に比較してフィルム代が割高になる。
 そこで、添加物を用い、巻き層数を最少にしてサイレ-ジの品質を長期に維持する技術を検討した。なお、添加物は水溶液としてラップする前に散布した。
成果の内容・特徴
  1. 貯蔵日数145日のス-ダングラスサイレ-ジの無処理区では、2梱包とも白カビが広範囲に発生し、水酸化ナトリウム0.2%添加区でも2梱包とも白カビが発生したが、部分的に限られおり、尿素1%添加区では2梱包ともカビの発生が認められなかった(表1)。
  2. 貯蔵日数100日のイタリアンライグラスサイレ-ジの無処理区では、3梱包とも白カビが広範囲に発生し、水酸化ナトリウム0.5%添加区および1.0%添加区でも3梱包中2梱包に白カビが部分的に発生したが、他の1梱包にはカビが認められず、一方、尿素0.5%添加区では1梱包に白カビがごく一部に発生したが、他の2梱包にはカビの発生が認められなかった(表1)。
  3. 水酸化ナトリウムおよび尿素の添加処理は、サイレ-ジの発酵品質には悪影響を及ぼさなかった。ただ、これらのアルカリ添加物処理区では無処理区に比較して、ロ-ルの周辺部においてβ-カロチンの含量が少なくなる傾向が認められた(表2)。
成果の活用面・留意点  水酸化ナトリウムを添加する場合には、ロ-ルに散布ムラがあると、ムラの部分にカビが発生するが、尿素の場合は若干のムラがあってもアンモニアとなって全体に拡散するため、ロ-ルの全体的にカビが抑制される。水酸化ナトリウムの添加作業には、安全上ゴム手袋を着用した方がよい。これらのアルカリ処理サイレ-ジの給与は成牛を対象とすべきであるが、採食性は無処理サイレ-ジとほとんど変わらない。
図表1 210306-1.jpg
図表2 210306-2.jpg
カテゴリ イタリアンライグラス 長期保存・貯蔵

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