タイトル | ウシ体外受精由来胚の凍結保存液へのリノール酸ウシアルブミンの添加効果 |
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担当機関 | 畜産試験場 |
研究期間 | 1996~1997 |
研究担当者 |
前原 智 安部 茂樹 岡崎 尚之 居在家 義昭 高橋 ひとみ 志水 学 白石 忠昭 |
発行年度 | 1996 |
要約 | 1.5Mエチレングリコールを用いたウシ体外受精由来胚の凍結保存液に、4mg/mlのリノール酸ウシアルブミンを添加した場合の凍結融解後の生存性は、無添加の場合と比較して高くなることが確認された。 |
背景・ねらい | ウシの体外受精技術の開発に伴い、性判別、核移植等の発生初期段階の卵子および胚操作が可能となり、これらの技術によって、分割胚、再構築胚、体外培養胚等が作出されているが、これらの胚は、凍結保存する場合に凍結傷害に対する感受性が高いとされている。このため、ウシ体外受精由来胚の凍結保存液(1.5Mエチレングリコール)に、低温下で細胞膜の保護作用を持つとされる不飽和脂肪酸(リノール酸)とウシアルブミンとを結合させたリノール酸ウシアルブミン(LAA)の添加が、凍結融解後の胚の生存性に及ぼす改善効果について検討した。 |
成果の内容・特徴 | 1.5Mエチレングリコールを用いたウシ体外受精由来胚の凍結保存媒液に、4mg/mlのLAAを添加した場合の凍結融解後の生存率および孵化率は、それぞれ 69.4%および 22.4%、無添加の場合のそれらは、それぞれ 47.8%および 13.0%であり、LAAを添加した場合の生存率が有意に高率(P<0.05)であった(表1)。 |
成果の活用面・留意点 | 凍結保存媒液にLAAを添加することで、耐凍性が低いとされている体外受精由来胚、分割胚、性判別胚、核移植再構築胚等の凍結融解後の生存性を向上させることが可能となる。 |
図表1 | ![]() |
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