せん茶園における品質維持のための元肥削減技術

タイトル せん茶園における品質維持のための元肥削減技術
担当機関 奈良県農業試験場
研究期間 1994~1997
研究担当者 谷河明日香
福森茂樹
米谷 力
発行年度 1997
要約 せん茶園の施肥において秋期元肥の窒素施用量を施肥基準レベルの半減量でも、一番茶の生葉収量、製茶品質を維持することができる。また、年による変動が土壌の種類によってみられるが、一番茶窒素・アミノ酸含量も概ね維持できる。
背景・ねらい  茶業は、中山間地域の主要産業として地域経済への貢献度が高い。これまで市場価格の良好な高アミノ酸含量の緑茶生産をめざして窒素肥料の多用が行われ、結果的に肥料利用率の低下、施肥成分の溶脱が問題となってきた。今後、農家経営の安定と茶業の振興を図るには、緑茶の収量・品質維持と環境負荷低減を両立させる施肥法が必要である。
成果の内容・特徴
  1. 奈良県施肥基準の窒素肥料80kg/10a/年をもとに、菜種粕を元肥として、細粒褐色森林土、礫質褐色森林土の土壌において、生葉収量、製茶品質に影響しない元肥の減量を検討した。
  2. 慣行元肥は秋期、春期元肥とも各20kg(窒素成分)、合計元肥に40kgを施用している。両土壌とも、秋期窒素施肥量を10kg減じても、生葉収量、製茶品質は低下しない。
     秋、春両期元肥とも半減(20kg減)すると製茶品質(内質)が低下する。(表1)
  3. 秋期元肥を半減しても細粒褐色森林土では一番茶の新芽窒素含有量、アミノ酸含量は維持できる。(表2)

成果の活用面・留意点
  1. 本成果は開始後4年間の成績であるので、これ以上の連年施用については今後の課題である。
  2. 秋期元肥と芽出し肥の両者を半減すると一番茶の窒素含有量、アミノ酸含量とも減少する。
  3. 一番茶の生育期の気象条件によって窒素含有量、アミノ酸含量が礫質褐色森林土で変動する場合がある。
  4. 秋期元肥を半量とすると10,000円/10a/年の肥料費の減となる。

図表1 210350-1.gif
図表2 210350-2.gif
カテゴリ 肥料 環境負荷低減 経営管理 施肥 中山間地域

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