腟内挿入黄体ホルモン製剤を用いた黒毛和種の連続過剰排卵処理技術

タイトル 腟内挿入黄体ホルモン製剤を用いた黒毛和種の連続過剰排卵処理技術
担当機関 山口県畜産試験場
研究期間 1997~1997
研究担当者 市野清博
松岡一仁
松崎伸生
石井俊昭
嶋屋佳子
発行年度 1997
要約 膣内挿入黄体ホルモン製剤を用いて発情周期に関係なく過剰排卵処理を行うことにより、通常処理と同等の胚採取成績を得ることができる。また、154日間で4回の胚採取ができ、連続過剰排卵処理が可能となる。
背景・ねらい  過剰排卵処理は、2~3か月の間隔を必要とし、1年に3~4回が限度であり、胚の確保、安定供給のために胚採取間隔の短縮が課題の一つとなっている。
 そこで、膣内挿入黄体ホルモン製剤(CIDR)を用いて人為的に発情周期を制御し、発情周期に関係なく過剰排卵処理を行うことにより、胚採取間隔を短縮し、連続過剰排卵処理の実用性について検討した。
成果の内容・特徴  牛の発情周期に関係なくCIDRを膣内に挿入し、挿入後10日目から過剰排卵処理を開始し、12日目の朝に膣内から除去するとともに、PGF2α を投与し発情を誘起した。発情確認後人工授精を行い、常法に従い胚採取を実施した。本操作を35日間隔で2回行った(1クール)。クール間隔を63日として2クール、全行程
154日間で計4回の胚採取を実施した。
  1. CIDRを用いた1クール1回目の胚採取成績と、通常処理である同一牛の前回の胚採取成績のそれぞれの回収卵数は、9.5
    と9.7 個、正常胚数 7.2と 6.2個で有意差はなく、発情周期に関係なく計画的な過剰排卵処理が可能である(表1)。
  2. 1及び2クールのそれぞれの回収卵数は 9.3と
    7.5個、正常胚数は 5.3と 4.8個となり、有意差はない(表2)。
  3. 各クール内の1回目・2回目の胚採取成績は、それぞれ回収卵数
    9.4と 7.4個、正常胚数 6.3と 3.7個となり2回目でやや低下する傾向がある(表3)。
成果の活用面・留意点  CIDRを用いることにより、牛の発情周期に関係なく、作業のスケジュールに合わせて過剰排卵処理が実施でき、特に、短期間に集中して胚採取する場合などに有効である。しかし、クール内の2回目に胚採取成績がやや低下する傾向がみられるので、処理間隔を検討する必要がある。
図表1 210355-1.gif
図表2 210355-2.gif
図表3 210355-3.gif
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