タイトル |
子牛育成期における乾草の切断長と摂取量 |
担当機関 |
山口県畜産試験場 |
研究期間 |
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研究担当者 |
岡田郁子齋東 寛秋友一郎
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発行年度 |
1997 |
要約 |
黒毛和種子牛の育成期(4~8ヶ月齢)に粗飼料摂取量を増加させるには、乾草の切断長を約1.5cm に調整することが有効であるが、月齢が進み8ヶ月齢になると粗飼料価も考慮し、約4cm切断長に移行させる必要がある。
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背景・ねらい |
子牛の育成期における粗飼料摂取量は、その後の肥育や繁殖に影響を及ぼすといわれ、この時期に乾草をいかに摂取させるかが課題となる。そこで、子牛の嗜好する乾草の切断長と、その切断長が消化率や反芻等に及ぼす影響を調査し、乾草の給与方法を検討した。
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成果の内容・特徴 |
- チモシー乾草の切断長を梱包の半切り(平均12.4cm)、中間(4.1cm)、最短(1.7cm)の3通りに調整し、自由採食させると、1日の採食量の平均は最短が最も多かった。また、飼槽から牛床への引き込み量は最短で最も少ない(表1)。
- 雄子牛4頭を用いた全糞採取法による、4、6、8カ月齢時における中間、最短の切断長の消化率は、月齢によって変化が見られたが、採食量はいずれも最短で多く、採食量と消化率から1日のTDN、DCP摂取量を算出すると、各月齢とも最短で多くなる(表2)。
- 24時間の反芻時間、反芻咀嚼回数は、各月齢で最短が多い。
- Sudweeksらの示した粗飼料価指数(RVI)を用いて、飼料価を粗飼料の物理性と栄養性の積(RVI×DMI)として算出すると、4、6カ月齢では最短、8カ月齢では中間の方が大きくなることから、4、6カ月齢では約 1.5cm、8カ月齢になると約4cmの切断長が、粗飼料価と採食性の両方をより満たしていると考えられる(図1、図2)。
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成果の活用面・留意点 |
- 子牛の育成期に乾草を1.5cm 程度に切断し、採食量増加のためのトレーニングを行うとともに、月齢が進むにつれて切断長を長くしていくことが勧められる。
- 同じ量を採食した場合の粗飼料価は各月齢で中間が最短より大きいので、最短の採食性のメリットを十分発揮できるよう、乾草は自由採食させることが重要である。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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カテゴリ |
繁殖性改善
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