牛体外受精由来胚における凍結保存法

タイトル 牛体外受精由来胚における凍結保存法
担当機関 広島県立畜産技術センター
研究期間 1997~1999
研究担当者 岩水 正
尾形康弘
発行年度 1997
要約 牛体外受精由来胚の凍結には、耐凍剤5%エチレングリコ-ル・6%プロピレングリコ-ル・0.1Mショ糖の凍結・融解後の生存性に有効性が認められ、また拡張胚盤胞期胚が胚盤胞期胚よりも生存率、脱出率ともに優れ耐凍性が高い。
背景・ねらい  牛体外受精由来胚は体内受精由来胚に比べて耐凍性が劣っており、これを凍結胚として流通させるためには、耐凍剤および凍結保存方法を改善する必要がある。そこで、効率的な凍結保存方法を見出すため、牛体外受精由来胚を3種類の耐凍剤を用いて凍結保存し、融解後の生存率及び脱出率について比較検討した。
成果の内容・特徴
  1. 3種類の耐凍剤で体外受精由来胚盤胞期胚を凍結・融解した結果、融解後24時間目の生存率は5%エチレングリコ-ル(EG)+6%プロピレングリコ-ル(PG)+0.1Mショ糖(Su)が1.8EGに比較して有意に高い(P<0.05:表1)。
  2. 凍結・融解後の脱出率は、胚盤胞期胚では5EG6PG0.1Suが高い傾向にあり、24時間目で既に脱出が始まり、72時間目で74.7%(62/83)が脱出する(表2)。
  3. 拡張胚盤胞期胚では5EG6PG0.1Suが24時間目で27.8%に達し、72時間目で93.3%(84/90)となり1.8EGに比較して脱出率が有意に高い(P<0.01:表2)。
  4. 拡張胚盤胞期胚が胚盤胞期胚よりも凍結・融解後の生存率、脱出率ともに高く耐凍性が優れている(表1・2)。

成果の活用面・留意点  経膣採卵などの方法で得た卵子を体外受精技術を用いて作出した胚をこの方法で凍結保存し、直接移植法によって受胎させることが可能で、体内受精由来胚にも応用できる。
 胚盤胞期胚と拡張胚盤胞期胚で受胎性に差があるかどうか確認する必要がある。
図表1 210375-1.gif
図表2 210375-2.gif
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