タイトル |
ナシ「新高」の樹冠拡大と主枝延長枝の勢力とからみた望ましい剪定強度 |
担当機関 |
岡山県立農業試験場 |
研究期間 |
1997~1998 |
研究担当者 |
安井淑彦
岡田俶郎
各務裕史
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発行年度 |
1997 |
要約 |
ナシの主枝延長枝の勢力を維持しながら樹冠拡大を早めるための延長枝の剪定強度は概ね50%である。
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背景・ねらい |
成園化を早めるために主枝延長枝の伸長を盛んにして樹冠を早く拡大したい。これには経験的に剪定の強さを加減していたが、基準になるものはない。そこで、剪定の強さが主枝延長枝の伸長に及ぼす影響を検討し、樹冠拡大と延長枝勢力維持の上から望ましい剪定の強さを明らかにする。
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成果の内容・特徴 |
- 2本主枝整枝4年生‘新高’の125本の主枝を供試し、主枝延長枝を様々な強さで剪定して様々な角度で誘引し、延長枝新梢長を目的変数にして重回帰分析した。なお、剪定強度は,切り取られる部分の長さを主枝長もしくは1年枝の長さで除した値で示すものとする(図1)。
- 主枝延長枝の伸長に比較的大きな影響を及ぼす要因は、主枝長、主枝せん定強度、1年枝の長さ、1年枝せん定強度、主枝先端部角度である(表1)。なお、2年枝角度、 樹冠中心部の強大な側枝数は延長枝の伸長に大きな影響を及ぼさない(デ-タ省略)。
- 1年枝、2・3年枝とも剪定強度が強いと新梢伸長が優れる(表1)。
- 長い1年枝からは長い新梢が生じる(表1)。
- 主枝長が長くなると伸長が劣る(表1)。
- 主枝先端部の仰角が大きいと新梢伸長が優れる(表1)。
- 栽植3年目から5年目までシミュレ-ションした結果、剪定強度が50%の場合に延長枝が1m以上に伸長し、かつ、主枝長が最も長くなるものと推定される(図2)。
- 100㎝以上の長さの新梢が得られると期待できる剪定強度は、1年枝の長さが70㎝の場合には70%、100㎝の場合には50%、150㎝の場合には20%程度である(表2)。
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成果の活用面・留意点 |
- 肥沃な土壌に栽植された主枝長4m未満の若木に適用する。
- 主枝先端部はできるだけ立たせて誘引する。
- 主枝先端部(0.5~1m)には結実させない。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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図表4 |
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カテゴリ |
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